20代で「定年退職後の生活」を待ち望んだことが衝撃で、脱サラへ

クイズ法人カプリティオのメンバーとの一枚

──ただ、おもしろいのはここまでクイズを究めつつも、クイズ関係のところに就職するわけじゃなく、製パン会社のサラリーマンを経て公務員になるんですよね。

「そうなんですよ。まず“自分はプレイヤーとして日本一であり続けたい”という矜持(きょうじ)があったので“仕事にしたらクイズが嫌いになるんじゃないか”と思ったんですよね。それと、それぞれ自営業の家に生まれ苦労してきた両親から“商売は大変だぞ。やめとけよ洋平”と言い聞かされていて、クイズで起業するのは難しいのかな、と

 それで製パン会社に2年勤めたんですが、とにかくブラック企業でクイズどころじゃなかったんですよ。それで日本一のホワイト企業を探した結果、これは公務員だと思って転職しました」

──実際、公務員として働いてみていかがでしたか?

「公務員の仕事はすごく大事な、とてもいい仕事だと思うんですけど、正直自分のしたい仕事とは違う印象でした。毎日、目の前の仕事をこなすような日々が続きました。そんなある日“早く定年にならないかな。クイズいっぱいできるのに”と思っている自分に気づいたんですよ。早く定時にならないかな、じゃないですよ(笑)。定年退職はまだか、と思ってしまったんです

 そのときに“まだ20代なのに……! これはヤバい”と、ハッとしたんですよね。それで、29歳で独立して現在も続くクイズ作家の仕事を始めました」

──それは確かにヤバいですね(笑)。ではそこからはクイズ作家として活躍されるわけですね。

「はい。その後、自分が独立したのを聞いて“古川が脱サラして東京でクイズ作家してるらしいぞ”って、おもしろがって仲間が集まってきてくれました

 それで高校で一緒に『タイムショック21』に出たATや、10人目の弟子だったリコ(松崎利浩)と一緒に仕事をすることになり、3人の当時のハンドルネームのアナグラムで『カプリティオ』という名前の会社を設立することになりました」

──ここで仲間が集まってきてくれるのがドラマティックですよね。ずっと「周りにクイズで楽しんでほしい」と思っていた古川さんが撒(ま)いた種が実った瞬間というか……。

「本当にありがたかったですね。今でもクイズ法人カプリティオは僕ではなく、社員のみんなに成功してほしいという気持ちで運営しています」