というわけで一概に高い・安いとはいえないのですが、ひとまず近年の大規模タイトルと『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の価格を比較してみましょう。
フロムソフトウェアの死にゲーとして人気な『エルデンリング』は9240円です。そして、ハリー・ポッターの世界を冒険できる『ホグワーツ・レガシー』( Warner Bros. Games)は9878円となっています(どちらも定価で税込み)。
このような大規模タイトルは1万円前後なので、多くの人に期待されている大作としては『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の7920円はそこまで高くありません。ただし、Nintendo Switchの規模が大きいソフトは6500円程度なので、それと比較すればやや高めという結果になります。
「高い」か「安い」かは、感覚か実情か
さて、あなたは「7920円」が高いと感じましたか?
そもそもの話、買い切り型のテレビゲームは高く感じやすい傾向にあります。
テレビゲームはコスパで見るとかなりオトクな部類で、ひとり用ゲームでも何十時間も遊べるケースもありますし、対戦ゲームになると何百時間・何千時間も遊べてしまうのでかなり安いです。
1万円のゲームを20時間遊べば、1時間あたりにかけた金額は500円。映画より安いですよね。このくらいの価格帯の大作はそのくらい遊べるのが当たり前で、やりこめばもっと時間がかかります。
もちろんテレビゲームは途中で投げ出す可能性もありますが、値段的には高くはない娯楽のひとつです。むしろゲーム好きとしては、タイパが悪いとすら思えることがあります。長すぎるゲームを遊んでいると、2時間前後で終わる映画がうらやましくなるときもあるのです。
もちろん、リアルマネーで課金するガチャがあるゲームになってくるとまた話は変わってきますが、それはさておき。基本、買い切り型のテレビゲームは安いはずなのです。
とはいえ、実際に何かゲームを遊ぼうとするとゲーム機本体がそれなりにしますし、買い切り型のソフトも6000円~1万円程度と額面ではそれなりに迫力があります。やはり、これくらいの額が出てくると「安い」とは思いづらいですよね。
なので、感覚としてはテレビゲームが「高い」と思ってしまうのも仕方がないかもしれません。しかし実情を見ればそうではないわけで、どれだけテレビゲームのことを知っているかどうかで、高く感じるか・安く感じるかが変わるのかもしれません。
(文・渡邉卓也/編集・FM中西)