【STORY】
19世紀半ばのアメリカ・ローウェル。産業革命により大規模な紡績工場が誕生し、多くの先進的な女性たちがファクトリーガールズとして働いていた。貧しい家族を助けるため、自らの自由を得るためにローウェルにやってきたサラ・バグリー(柚希礼音)もそのひとり。
しかし、工場で彼女が目にしたものは、轟音をあげる機械、理不尽な抑圧、そして機械のように働くガールズ。衝撃を受けるサラだったが、心優しい仲間たちに出会い、刺激を受ける。中でも、自由を夢見る女性たちの憧れである寄稿集「ローウェル・オファリング」編集者のハリエット・ファーリー(ソニン)との出会いによって、彼女は文章を書くことに新たな自分を発見。ハリエットもまたサラの文才を認め、ふたりは深い友情で結ばれていく──。
高校時代の親友とはずっとつながっています
──サラ・バグリーと深い友情を結ぶハリエット・ファーリーを演じるソニンさんとは、初演に続く共演となりますが、楽しみにされていることは?
「再演が決まって、“一緒に頑張ろう!”と喜び合いました。初演でもすごくタッグを組んでやっていたので、お互いにいろいろな道を歩んできて、4年ぶりにまた一緒にできるのがすごく嬉しいです。さまざまな経験を経て、きっとお互いに成長して変わっていると思うので、初演を思い出そうとせず、またゼロから作り直すつもりで臨みたいですね。
再演されてよかったと言ってくださる声がある分、ハードルが上がっているので、本当にプレッシャーがかかってきます。だからこそ、みんなで力を合わせてものすごくいいものにしないと。そして、初演のときには見えていなかったところがきっとあると思うので、そのあたりを冷静な目で見ながら作っていけたらいいなと思います」
──サラとハリエットの友情も今作の重要なテーマだと思いますが、ふたりのように、お互いに高め合える存在として深くつながっている方は身近にいますか?
「高校の同級生の親友とは今でも一緒に旅行に行ったり、もうず~っと交流を持っています。宝塚に入ってからもトップになっても、高校時代と関係性はまったく変わらないから、すごく楽なんです。“柚希礼音”だから傍(そば)にいるわけではないという人たちなので、宝塚の話もしませんし、そういう友達がいるのはありがたかったですね。“大阪でおいしい店教えて”みたいな感じで、今も常に連絡を取り合っています(笑)」
──そういうお友達と一緒の時間は、仕事との切り替えになりますか?
「そうですね。落ち着きますし、いろいろツッコんでくれるのが面白いです。例えば、“インスタグラムがオフィシャルな情報ばかりで面白くないから、もっとプライベートなこと載せたら?”とか(笑)。そもそも、その同級生がおススメしてくれて、退団してすぐにインスタグラムも始めたので。身近で聞ける一般の方の声として参考にもなっていますね」
──柚希さんにとって、学生時代のお友達はどういう存在なのでしょうか?
「中学時代の友達も今でも仲良くしていますけど、やっぱり、ず~っと当時のまんまの関係なのが幸せですよね。一緒にゴム跳びしたり、先生に怒られたりした思い出がいっぱい詰まった友達と、今でもそんな話ばっかりしているっていうのがとても大切な絆だなと感じています」