「あー! 若葉ちゃん、ダメ~!」と、つい声に出して叫んでしまった。
ドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(テレビ朝日系)の第3話が5月14日に放送。衝撃のラストのまま、次回へとお預けになった。
『彼女たちの時代』(フジテレビ系)、連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)、『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)など、多くの名作を生み出してきた脚本家の岡田惠和(おかだ・よしかず)が、それぞれに事情を抱える女性・岸田サチ(清野菜名)、野田翔子(岸井ゆきの)、樋口若葉(生見愛瑠)が運命的に出会ったことで人生を変えていく様を描き出す本作。
ひとりではつらいと感じる毎日でも、3人一緒なら強くなれる、幸せになれる。きっとそう感じさせてくれるに違いないと予感させるドラマだ。
岡田氏の作品からは、ひとりひとりのキャラクターを、長年知っている大切な知り合いを描くように、優しく包み込みながら一筆一筆大切に進めているような温度感が伝わってくる。だから主人公たちの心の揺れを、私たちも自分事のように感じ、一緒になって喜んだり笑ったりできるのだ。その分、つらさもより深く感じてしまうのだけれど……。
第3話は、ひとりじゃないことによって生まれる心強さを教えてくれるとともに、岡田脚本らしい若葉の名セリフが心に残る回になった。
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不幸だけじゃなく、幸運も大きすぎては抱えられない
宝くじの1等に当せん! “山分け”の約束を果たすべく、ラジオ番組のバスツアーに再び参加し、翔子と若葉に再会したサチ。
買ってすらいないのに「当たったらどうしよう~」と想像してしまう“夢の高額宝くじ当せん”。でも“本当に当選したら怖い”という気持ちもよくわかる。サチと母親(和久井映見)の会話のように、「不幸への入り口だった」とのうわさ話は確かに耳にする。
3000万円の当せんは、サチにとっては大きすぎる幸運。とてもひとりで抱えられるものではなかった。そう、ひとりでは。でも彼女には「当たったら山分けしよう!」と誓い合った翔子と若葉がいた!
「バスツアーがもう一度あるって“みね”(岡山天音)が言ってたじゃない。参加して、3人で山分けすればいいんじゃない?」と、公園のパンダ(像)が教えてくれた。きっとパンダは、誰にも弱音を吐けないサチの話を常に変わらぬ態度で聞いてくれる、ただひとりの友達。
右手を挙げて、キュッと口を結んだ笑顔で迎えてくれる。何があった日でも「ヨッ! 大丈夫だよ、笑顔でね」と言ってくれているのかもしれない。
サチは、パンダを見て心を落ち着かせながら、“3人一緒なら、この大きな幸運に対する怖さも抱えられる”と、ふっと気持ちを軽くすることができた。