支え合える友達を得ることによって、きっと「夢見ること」を見つけられる

 3000万円を山分けした3人は、それぞれに幸せになることを誓って“解散”した。だが、幸せへの道は誰も歩めていない。ところで3人は、まだ友達にすらなっていない。翔子と若葉は3人組のことを「友達」と称することに抵抗はないだろうが、サチはそう口にはしないだろう。

 作ったLINEグループも、あくまでも“宝くじを受け取るための連絡グループ”という名目があったから作りやすかっただけ。一度友達だと認めてしまったら、別れがつらいから、認めたくない。今ならまだ、友達じゃないから“解散”もできる。

 でもこれから彼女たちは、3人だから、「友達」だから強くなれる姿を見せてくれるはず。依存ではなく、支え合って、それぞれに自立しながら進んでいく、友情の道を、きっと示してくれる。

 サチは「こうならないのかなとか。夢見るみたいなことは、私はそういうのは……」と諦め、拒否してきた。でも手にしたお金うんぬんではなく、支え合える友達を得ることによって、きっと「夢見ること」、それに向き合う強さを持てるのではないだろうか。

 そこには、みねや、カフェプロデューサーの住田賢太(川村壱馬)も関係してくる予感がする。恋愛としてではなく。まだまだそれぞれに大変なことが続きそうだが(翔子の背景も描かれるだろう)、彼女たちの“前向き”を見守りたい。

(文/望月ふみ、編集/本間美帆)