学生から社会人になるときに、誰もが通る道
──赤澤さんは「アキは感情表現が豊かだからこそ、繊細な一面を持っている男の子で、個人的には共感できる部分が多かった」と公式サイトでコメントされていますが、具体的にどういうところに共感しましたか?
赤澤 好きな人に対して何でもやってあげたいと思うところですかね。その相手が恋人でも家族や親友でも「喜ぶ顔が見たい、尽くしたい」と思うのはとても共感しました。自分の好きな人には笑っていてほしいし、最大限の愛をあげたいなと思います。なので、自分が作る料理を「うまっ!」って言いながらパクパク食べているハルを嬉しそうに見つめるアキの気持ちはよくわかります。
──高橋さんは演じたハルについて、「自分も実際に学生時代に考えていたことと重なる部分があった」とおっしゃっていますが、特にどういうところが?
高橋 自分の行く道を決めるときの「ちょっとした揺らぎ」みたいなことですかね。僕は就活をせずに役者という仕事をやらせてもらっていますけど、学生のときは誰かや何かに感化されやすかったり、新しいことに出会うと「あ、こんな道があるのか」って思ったりするじゃないですか。そのへんの悩みや迷いみたいなことを、今作でハルとして経験できました。学生の間は、その瞬間をずっと楽しんでいたいですよね。だけどみんな大人になっていくし、妥協しなきゃいけないのかなと思いつつ、社会人になることの憧れみたいなものは誰もが抱くと思います。
この作品は、何か事件が起きるような特殊なことは何もなくて、ハルもアキも多少誇張した表現をしていますけど、誰もが通る道でみんなが悩んだことや、共感できる内容になっているなと思います。
◇ ◇ ◇
後編では、おふたりの役者に進んだ経緯や友達が社会人になったときに感じたことなどのほか、恒例の「意外なイチメン」にも迫ってみたいと思います!
(取材・文/根津香菜子、編集/福アニー、撮影/松嶋愛、ヘアメイク/Kanagon。(Beauty Salon nagomi)、スタイリスト/西川志都(Tatanca))
【Profile】
●赤澤遼太郎(あかざわ・りょうたろう)
1997年1月11日生まれ、神奈川県出身。2015年、舞台『CHaCK-UP―Episode.0―』で俳優デビュー。その後、舞台『おそ松さん』『あんさんぶるスターズ』『A3』『xxxHOLiC』等で人気の役を射止める。近年はCMやバラエティ、TOKYO MX連続ドラマ『救出劇』の主演、『あさステ!』のパーソナリティ、ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』など、多方面で活動している。
●高橋健介(たかはし・けんすけ)
1994年12月24日生まれ、東京都出身。高校生のころより芸能活動を開始し、2015年、ドラマ『ウルトラマンX』にて主演(大空大地役)を務める。翌年、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(蜂須賀虎徹役)に出演するなど、TVや映画、舞台、YouTubeなど幅広い活動をしている。
【Information】
●映画『アキはハルとごはんを食べたい』
出演:赤澤遼太郎、高橋健介、赤羽流河、櫻井佑樹、竹内星菜、田中優香、青山ひかる、永山たかし、柴田理恵
監督:川野浩司
脚本: 川崎龍太
公開日: 2023年6月2日(金)より、シネマート新宿ほか2週間限定公開
(C)たじまこと/竹書房・「アキハル」製作委員会