過去から今へつながる心境の変化とは

──グラビアアイドル時代について教えてください。

 グラビアを始めた当時は20歳。ありとあらゆる経験をさせてもらったんですけど、いろんなことがありすぎて、正直あまり覚えてないんですよね(笑)。でもとにかく一生懸命でした。

──当時と今とで心境の変化は何かありますか?

 昔は自立していて、自分で自分を守れるような強い女性に対する憧れが強かった。でもそれは、きっと自分の弱さからくる反発心だったと今は思います。

 物事を考えすぎて、落ち込みだすと堕ちに堕ちてしまい、私生活がボロボロみたいになってしまったことも何度かありまして(笑)。

 考えたり、気にしたりすることがいけないことなんだと思って、閉じこもっていったような時期もありましたが、それは間違いだったと最近になって思います。強さって、不感症になることではないんだなと気づきました。

忍野さら 撮影/吉岡竜紀

──強さって難しいですよね。

 言葉の意味や、さまざまな考え方を知っていくうちに、私自身の心の引き出しが増えて、中ぶらりんな感情をどこかに落としこんでいけるようになり、とても楽になったんです。

 そうなってからは反対に、わからないものをわからないままにしておくのも悪くないのかもしれないとも思えるようにもなりました。

 グラビアを通じて改めて、自分はやっぱり表現したり、何かを創ったりすることが好きなんだなと感じられました。グラビア時代は、書道でたとえるなら「墨をすっている時間」かな。

──(笑)。