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生き方

5歳で警察沙汰、3年の逃亡生活。絵に描いたワルがヤンキー系ドラマ御用達の不良ファッション専門ショップを立ち上げるまで

SNSでの感想
学生時代の石川さん 写真/本人提供
目次
  • 学生時代からワル目立ち、甘いキャッチコピーに誘われ“悪”の道へ
  • さらに転がるように悪事に手を染めていった
  • 更生を決意させた妻との出会い
  • 自身の行動力で商売を軌道に乗せ、“ホストアイテム”がいまの原型に

「ヤクザ、ヤンキー、チンピラ、ゴロツキ、日本中の悪党大歓迎!」「ここは、凡人は秒速で悪党に、悪党は一瞬で極悪人になれるお店です」などといった強烈なキャッチコピーが飛び交い、詰められた指や日本刀を持ったヤクザのイラストが散りばめられ、これでもかというくらい“悪”を強調したウェブサイトがある。

『悪党の店 BIRTHJAPAN(バースジャパン)』(新潟県南魚沼市)という不良ファッションの専門通販サイトで、同店で扱っているアイテム数は、石川智之社長でさえ、「ちょっとわからないですね」というくらい多い。

 実は石川さん自身、小学生のころから警察の世話になり、一時期は逃亡生活を続けていたことがある。そんな経歴の持ち主が、不良ファッションの専門通販サイトを立ち上げて順調に売上を延ばし、ヤクザ、ヤンキー映画やドラマの衣装協力を行うまでになった。その過程や、他の追随を許さないオリジナリティをどう確立していったかなど、話を聞いた。

今回話を伺った石川智之さん 写真/本人提供

◇   ◇   ◇

学生時代からワル目立ち、甘いキャッチコピーに誘われ“悪”の道へ

『悪党の店 BIRTHJAPAN』社長の石川智之さんが、初めて警察の世話になったのは5歳のときのこと。川に農薬を流し、「水質汚濁防止法違反」を犯した。

「小学生のころは、表面上はいい子にしていたつもりだったんですけど、周りから見たらそうじゃなかったようです。何か悪いことがあったら、“どうせまた石川だろ”という感じでした。

 荒んだ家庭環境だったというわけではないのですが、親が独善的でうるさい感じで、それに耐えきれずに反発してしまった子どもだったと思います

 あることないことを言われるようになっていたものの、石川さん自身は不良に憧れていたわけではなかったという。

 しかし、ケンカや恐喝などに明け暮れ、無免許運転していたバイクで事故を起こしてしまい、入院している間に出席日数が不足して17歳で高校を中退することに。

 退学後、何もしないわけにはいかないと手に取ったのは求人情報誌だった。そこに、「中卒でも月収100万円以上可」「企画営業、PR業務。誰でもできる簡単なお仕事です」と記された求人情報を発見する。

それが、いわゆる新聞拡張員の仕事でした。バカなんで、こういうのにすぐだまされるんですよ。“月収100万以上ってマジかよ?”と思って電話をしてみたら、“いまから来られる?”と。行ってみたら“今日からここに住んで”って言われて、住み込みで働くことになりました

 仕事内容は、個人宅を訪問して新聞購読を持ちかけるというものだが、当然のことながら単なる営業ではなかった。

「いまからお手本見せるから付いてこい、って言われて行ったら、“てめぇ、この野郎!”ってめっちゃ恐喝してるんですよ! でも、その仕事にはすぐになじめましたね

こわもてな印象だが、話すと気さくな石川さん
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