朝から深夜まで働きづめの忙しさ、家族のような撮影現場のスタッフに癒された
とはいえ、当時の南野はドラマや映画が年に3~4本、シングルはほぼ3か月に1枚、オリジナルアルバムは半年に1枚など、超多忙だったと思われるが……。
「このころは、まともな睡眠は取れていないですね。1日のトータルでは3~4時間寝ていますが、移動車や楽屋で細切れに寝ることが多かったです。さすがに26時(午前2時)には仕事から解放してもらいましたが、朝から日中はドラマのロケ、日没後はスタジオのセットで撮影し、歌番組があるときは、生放送に出たり撮影の現場から中継してもらったり。そして歌番組の後は、ラジオの収録や雑誌の表紙撮影、そしてレコーディングはいつも24時前後からでしたね。つらかった気もしますが、私の場合、そんなに長いあいだ続いたわけでもなかったので、なんとか乗り切れたのかなと」
そして、当時の息抜きと言えば、
「マネージャーさんとか、周りに文句を言うことくらいだったんじゃないですか(笑)。今のように携帯電話もないし、離れたお友達とおしゃべりして発散することもできませんでしたからね。でも、撮影現場のスタッフさんたちが、温かいお兄さんというか、家族のような存在で、イタズラばかりして楽しんでいました」
なお、アイドル時代の南野がひと際忙しかった背景には、歌手と俳優の仕事を別々の事務所で管理していたという、彼女ならではのマネジメント事情も大きかったようだ。
「最初はうまくいっていたのですが、忙しくなってくると、今と違って歌手部門と俳優部門のマネージャー同士の連絡が難しかったこともあり、ダブルブッキングが頻発したんです」
とはいえ、こういった多忙な時期でも、
「最初に人気が出たのは『スケバン刑事』のイメージで、マイナー調の楽曲が続いたので、シリーズ終了後は、笑顔になれるような楽曲が多くなりました。さらに、クラシック調のものも好きなので、荘厳なイメージの作品も歌えるようにお願いしました」
と、本人の意志が反映されているからこそ、唯一無二の“ナンノワールド”が確立できたと言えよう。彼女は謙遜して“文句を言う”と表現したが、それだけ自分の作品に責任を持っていたということだ。次回は、第3位の「話しかけたかった」や、当時の歌番組でのエピソードをふんだんに紹介したい。
(取材・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)
【PROFILE】
南野陽子(みなみの・ようこ) ◎1967年生まれ、兵庫県出身。愛称は「ナンノ」。1985年、CBS ソニーより「恥ずかしすぎて」で誕生日デビューし、ドラマ『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』でブレイク。“アイドル四天王”のひとりとして圧倒的な人気を誇る。現在は歌手活動のほか俳優業にも精を出し、2023年には映画『ネメシス 黄金螺旋の謎』や舞台『泣いたらあかん』などに出演。他にも2022年に京都府舞鶴市でお米作りを始め、2023年には日本カンボジア友好関係70周年親善大使に任命されるなど、多方面で活躍の場を広げている。
〜最新シングル「明日への虹」Spotifyほか各種音楽サービスで配信中〜
2023年から日本カンボジア友好関係70周年親善大使を務める南野陽子が、カンボジアへの思いを込めて歌った1曲!
〜CD『南野陽子SUPER HIT』主要高速道路サービスエリアにて販売中〜
ヒットシングル17曲を収録! 定価2096円(税込)
〜レギュラー番組『そこに山があるから』放送中〜
毎週水曜22:30~22:54、BS朝日にて
〜新番組『仮面ライダーガッチャード』一ノ瀬珠美役で出演〜
9月3日スタート! 毎週日曜9:00〜9:30、テレビ朝日系にて
◎南野陽子 公式Facebook→https://www.facebook.com/nannoclub.three/?locale=ja_JP
◎南野陽子 公式Instagram→https://www.instagram.com/yokominamino__/