「来てくまさったみなさんを笑顔にしたい」「ハッピーとサプライズを届けたい」
そんなくまモンの熱い気持ちが、ステージはもちろん、会場内の至るところに表れていたファン感だった。
テーマは「KUMAMON LAND」。会場じゅうが、くまモン一色に!
2023年1月14、15日の2日にわたって、東京でくまモンファン感謝祭が行われた。会場は、日本工学院専門学校の片柳アリーナ。屋外にはフードやグッズのキッチンカーも並ぶ。
会場に入ると3Dくまモンが迎えてくれ、その奥には「くまモンワールド」が広がっている。くまモンミュージアム、くまモンROOM、くまモンDIARY……。くまモンが描いた自画像の数々、そして日ごろ使っている衣装やグッズ、昨年育てていた「ナスの観察日記」やオフショットの写真など。
見て回るだけでほほえましく、心が潤っていく。そしてカーテンの陰に、箱の横に、あちこちに「隠れくまモン」がいるというファンの心をくすぐる演出。
くまモンバザールのコーナーでは、熊本にあるくまモンスクエアの出張展示をはじめ、さまざまなグッズも販売されており、あちこちで行列ができていた。
各日とも、抽選で当選すると座って観られるくまモンステージ(立ち見は誰でもOK)が2回、その合間にサプライズステージが初日は3回、2日目は2回おこなわれた。当選しなくても、来てみれば誰もがくまモンのステージを観られるというハッピーなスケジュールが組まれていたのだ。
今回のテーマは「KUMAMON LAND」。会場内すべてがKUMAMON LANDと化し、どこでもくまモンを感じることができるようになっていた。
くまモン、またもや一流ダンスを披露。豪華ゲストとのコラボは大盛り上がり!
くまモンは、オープニングからいつも以上に張り切っていた。日本工学院ダンスパフォーマンス科の学生たちとのコラボでダンスを披露。華麗なるステップ、キレッキレの身のこなし。
普段からダンスを得意としているくまモンだが、「イケメソな姿を見てほしくて、とっても難しいダンスば、い~っぱい練習したモン!」と、のちに告白している。学生たちからは、「くまモンはダンスがとても上手で驚きました」と言われて照れまくっていた。
初日のゲストは、人気アニメ「デリシャスパーティ プリキュア」からキュアプレシャスがやってきた。昨年、さまざまなコラボを果たしたくまモンとプリキュア。くまモンはお菓子を用意してもてなし、ふたりでダンスを踊った。
2日目のゲストは、「TOKYO BOYS COLLECTION with ジュノンBOY」と題して、昨年行われた第35回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストの優勝・準優勝・フォトジェニック賞・特別賞を受賞した4名。彼らを前に、くまモンは「真のイケメソは誰だ」と勝負を挑む。昨年のジュノンボーイコンテストには、くまモンも参加したが、男の子たちの頑張りを見て、途中で応援に回ると決意、応援大使として見届けた経緯がある。
4名がダンスや歌などで競う中、くまモンは得意の腹筋ローラーで対決。ところが動きが激しすぎてローラーが飛んで行ってしまうというハプニングが。悔しがるくまモン、4人の男の子たちも笑いが止まらない。
いつしかくまモンは彼らと心を通わせており、5人のイケメソは「これからも頑張ろう」と誓い合っていた。
くまモンのサービス精神が爆発! 何度もステージをこなしつつ、屋外にも登場
そのほかにも、「くまもとダーツの旅」やくまモンダンスメドレーなどの楽しい企画が満載。くまもとダーツの旅では、くまモン自身がダーツとなって熊本県の地図から町をピックアップ。そこで繰り広げられる祭りを紹介しながら、山鹿灯籠まつりやサンバおてもやんなどを踊ってみせた。
「くまもとサプライズ くまモン体操」のダンスのときには会場内にメッセージラリーボールが回された。くまモンからのメッセージ、くまモンへのメッセージが書かれたボールが客席を舞う。ファンの手から手へと飛んだボールは最後、くまモンががっちり受け取る。
ハグやハイタッチができない中、なんとかファンとの距離を縮めたい、相互のやりとりをしたいという気持ちが伝わってくる。
メインステージ合間に繰り広げられたサプライズステージでも、協賛社とのコラボあり、地元の子どもたちと一緒に踊ったりと盛りだくさん。「来てくれたすべての人たちを楽しませたい」と一生懸命考えたくまモンの気持ちが想像できる。「こんなに長い時間、みんなの前に出てきてくれてうれしい」というファンの声が多数聞かれた。
しかもその合間に、屋外のフードコーナーにも何度も登場。1軒1軒のキッチンカーを回り、お店の人との軽妙なやりとりで集まったファンを笑わせた。「もうじきステージが始まる」と走ってアリーナに向かうシーンも。
その背中を見ているうち、「くまモンは、どこまで頑張るんだろう」と、しみじみ感じた。存在自体が人の心を癒やし、和ませる、とてつもないエンターテイナーであることを、本人は自覚しているのだろうか。いや、彼はいつもひたすら一生懸命なだけで、そこに一切の計算はないのだろう。だから人の心を打つ。
まさかのアンコールにファン歓喜! くまモンが伝えてくれた“熱い思い”とは
2日目のラスト、くまモンはステージが終わっても「帰りたくない」とダダをこねた。それでも手を振って舞台袖に引っ込んだのだが、しばらくすると、くまモン東京隊のおねえさんが登場。「みなさん、もう少しいいですか」と、くまモンのたっての願いでアンコールステージがあることが告げられた。
そのサプライズフィナーレで披露されたのが、くまモンからファンへの手紙。いや~、これは反則(笑)。くまモンの心の内がストレートに綴られていて、あちこちで鼻をすする音が聞こえてくるほど。「号泣した」の声がしきりだった。
くまモンがみなさんに書いたお手紙を多くの方にお伝えしたく、
「くまモンファン感謝祭inTOKYO」のサプライズフィナーレの映像を
公開させていただきます。くまモンのみなさんへの感謝の気持ちを是非受け取ってください!
これからもくまモン・東京隊一同、全力で頑張ります!
エイエイモーン! pic.twitter.com/C8nq8cWm3e— くまモン東京スタッフ〈公式〉 (@KumamonStaff) January 16, 2023
これが本当に最後だと踊ったくまモンのメドレー4曲。最終曲はもちろん、「くまもとサプライズ くまモン体操」だ。ステージから下り、目の前のミニステージに駆け上がるくまモン。このメインとサブのステージをつなぐ6段の階段を、2日間で何度上ったり下りたりしたことだろう。そしてまた階段を下りて、今度は会場を走り回る。
最後もステージの端から端へと動き、一人ひとりを見つめながら手を振っていたくまモン。その気持ちが痛いほど伝わってきて、くまモンがついに去って行ったあとも、ファンはしばらくその場から動けずにいた。
「今年もハッピーとサプライズな時間を一緒に過ごしていきましょう!」
くまモン東京隊のおねえさんからのそんな呼びかけに、「くまモンと過ごせる時間」がいかに貴重か、誰もが心に刻んだのではないだろうか。
(取材・文/亀山早苗)