宝塚歌劇団OGの輪をつないで、リレー形式で人気スターの現在を紹介する連載「宝塚歌劇団 華麗なるOGリレーサロン」がスタート!
記念すべき第1回目は、2006年に退団してから女優として活躍中の元宙組トップ・和央ようかさんにご登場いただきました。’15年には、自身の退団公演となった演目『NEVER SAY GOODBYE』の音楽を担当し、『ジキル&ハイド』をはじめブロードウェイ・ミュージカルのヒット作などを数多く手がける世界的な作曲家、フランク・ワイルドホーン氏と結婚、現在はハワイに住んで日本と行き来しながら活動を続けています。
元宝塚歌劇団宙組トップスター。’00年宙組トップ就任。’04年『ファントム』にて主演を演じ、圧倒的な人気とパフォーマンスで大絶賛を浴びる。’03年シアター・ドラマシティ公演『BOXMAN』では菊田一夫演劇賞を受賞。’06年退団、平成以降最長トップスター在位。
退団後は映画『茶々―天涯の貴妃―』(おおさかシネマフェスティバル主演女優賞受賞)、ミュージカル『ドラキュラ』などで主演。 ’15年、作曲家フランク・ワイルドホーン氏と結婚。結婚後は米国に移住するも日本と行き来して国内外で精力的に活動を続けている。
’22年9/9よりシアタードラマシティ30周年記念コンサート出演、同11/17~20 CAN’T STOP DANCON’2022ゲスト出演、’23 3/3より宙組25周年スペシャルコンサート「明日へのエナジー」出演が決定している。
コンサートでは「ハワイを感じ、元気になってもらいたい」と自ら選曲
今回は久しぶりに、夏の東京でライブをさせていただきました。コロナ禍で暗くなりがちなムード、しかも猛暑の日本……。だからこそ今、私が住んでいるハワイの風を感じていただきたい! ホノルルのリビングルームにお招きするようなシチュエーションをイメージして、ウクレレ演奏の『Over the Rainbow』からスタートして、みなさまをお迎えしました。ゆるーいバージョンにして、「私も座って歌うから、みなさまもくつろいで聞いてください」という、ゆったりした雰囲気でスタート。
夫である作曲家、フランク・ワイルドホーンの新曲『Make a wish』も初披露しました。ハワイでセットリストを作っていたときに、ちょうどフランクからロサンゼルスやラスベガスで録音したデモが送られてきて、「これ、まだ誰も歌ったことがないから歌ってみたら」と提案してくれたんです。せっかく作曲家にそう言っていただいているんだからと、ライブのクリエイターに提案してみたら、「いい曲ですね! ぜひに!」と好反応でしたので、歌ってみることにしました。ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌『星に願いを』のようなテーマで、ジャズっぽい雰囲気もあり、今回の会場のようなライブハウス(Grand Maison ORENO)にぴったりでした。これからも歌っていきたい、すてきな1曲です。
松任谷由実さんの『真夏の夜の夢』、サザンオールスターズさんの『忘れられた Big Wave』、宝塚時代「W-WING-」の公演で歌ったディアマンテスさんの『勝利のうた』など海を感じる元気な曲、『上を向いて歩こう』といったポジティブになれる曲をメインに構成しました。2021年に亡くなられた宝塚の先輩、峰さを理さんの追悼コンサート(’22年7月開催)でも披露した『オール・ザット・ジャズ』は、自分のコンサートでも峰さんに思いを込めたかったので、歌わせていただきました。
全体としては、ハワイを感じていただける、口ずさみたくなる、元気になれる曲をメインに、聞き応えのある曲を混じえながら、最後は『スカーレット・ピンパーネル』から『ひとかけらの勇気』と、フランクの曲で締めくくりました。すべて自分の選曲です。ハワイのリビングルームにお招きする、というコンセプトだったので、ハワイアンの方が歌っているアレンジを勉強して、ウクレレバージョンの『What a wonderful world』をアンコール曲にしました。いつか自分でもウクレレを弾きながら歌いたいという夢を持っています。
ハワイの自宅のリビングは、開放的で風通しがよく、冷房を入れなくても心地よく過ごせる快適さです。宝塚在団中からハワイが好きで、趣味のダイビングなどをしに何度も訪れていたおなじみの地なのですが、実は、フランクが私以上にハワイ好きだったんです。’15年にハワイで挙式し、ニューヨークに住んでいたのですが、今は、まさにハワイアンな暮らしを楽しんでいます。
Zoomでニューヨークとつないでピラティスのオンライン講座を受けて鍛えたり、日本と仕事の打ち合わせをしたりして、夕方からプールや海で泳いだあとは、愛犬どんどんを連れてフランクと散歩に出かけるスローな毎日です。インスタにその模様をあげていますが、ハワイの散歩風景などは彼が撮ってくれているんです。
ハワイ生活は体形キープに気をつけつつも、ゆったり時間や食事を謳歌
ニューヨークに住んでいたころは、フランクのブロードウェイの仕事に関する打ち合わせなどを自宅ですることがほとんどでしたが、コロナ禍になってZoomでの会議に変わり、ピアノとPCさえあれば世界中どこでも仕事ができる状況になったことで、ニューヨークからハワイに移り住むことに決めました。
まだニューヨーク暮らしだったとき、パンデミック中の2か月半、ロックダウンになってしまい、買い物も10日に一度やっとできるくらいでした。街では1日中、救急車のサイレンが鳴りっぱなしで、怖いぐらいの悲惨な状況。たまりかねてハワイに避難しよう、ということになりました。1か月ほどハワイに滞在して、いざ、ニューヨークに帰ろうとしたら、飛行機がコロナの影響で3回続けてキャンセルになり、なかなか帰れない。そうこうしているうちに、アジアンヘイトも横行し始めるなどニューヨークの治安が悪くなり、帰るに帰れなくなったんです。
そこで、しばらくハワイに住もうか、とフランクから提案があったんです。「なんていい考え!」と大歓迎でした。飛行機で日本まで14時間かかるニューヨークに比べて、ハワイからなら6〜8時間程度。故郷に近くなり気持ちも楽ですし、仕事もやりやすくなりました。
基本、のんびりしたハワイ的な生活なので、緩みがちなところもあるかと、ピラティスと水泳で在団中と変わらない体形をキープできるよう気をつかっています。大食感ですし、お酒も大好きなので、1日に10回は体重計に乗ってチェックを欠かしません。2キロくらい、すぐ太るんですよね。友人と好きなものを食べるときに制限をかけるのは避けたい。1日で増えた2キロは、2日以内ならすぐ落とせますが、3日残すとなかなか落ちなくなります。3日以内に身体を整えようと思ったときには、豆腐やタラを入れたりして朝からひとり鍋をしたりしています。
旅行で訪れていたときから、そして今住んでみても、やはり、外食ではハワイらしさを味わえるところが好きです。朝食は『ザ・カハラ・ホテル』や『ハレクラニ』の海辺のテラスでいただくのもおいしいし、夕方は、ダイヤモンドヘッドのあたりにあるビーチや、『ロイヤル・ハワイアン・ホテル』の『マイタイバー』で飲んだり。ティピカル(典型的)だけどハワイを感じられる海沿いのお店によく行きますね。昔から海が大好きなので、広がる青い海を眺めながらの暮らしは、自分にとって理想的な環境です。
ハワイでの穏やかな暮らしは、和央さんの心身を健やかに保ってくれているようです。インタビュー第2弾では、宝塚現役時代のエピソードや夫・フランクさんとのなれ初めについても語っていただきました。
(取材・文/Miki D’Angelo Yamashita )
◎シアター・ドラマシティ30周年記念コンサート!!「Dramatic City”夢”」
・2022年9月9日〜10日(東京:東京建物Brillia HALL)
・2022年9月16日〜18日(大阪:シアター・ドラマシティ)
※公演詳細やチケット情報→https://www.takarazuka-live-next.co.jp/stage/2022/dramacity30/
◎Cosmos25th Special concert「明日へのエナジー」
・2023年3月3日~6日(東京:大手町読売ホール)
・2023年3月11日~14日(兵庫:宝塚バウホール)
※公演詳細やチケット情報→https://www.umegei.com/