『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』や『刀剣乱舞』シリーズなど、ともに2.5次元の舞台でも活躍している俳優の赤澤遼太郎さんと高橋健介さん。インタビュー前編では、6月2日公開の映画『アキはハルとごはんを食べたい』について伺いました。後編では、おふたりの役者に進んだ経緯や友達が社会人になったときに感じたことなどのほか、恒例の「意外なイチメン」にも迫ってみたいと思います!
社会人になった友人が使う言葉に驚き
──おふたりが共演した映画『アキはハルとごはんを食べたい』では、大学卒業を前に、早々と自分のやりたい道に進むことを決めたハル(高橋さん)と、まだ自分が何をやりたいのかわからず、忙しそうなハルに相談もできずに悶々と悩むアキ(赤澤さん)をそれぞれ演じています。アキの悩みに共感する人も多いかと思いますが、おふたりは学生から社会人になるとき、どんなことで悩みましたか?
高橋 僕は学生から社会人になるときの不安よりも、社会人になったときの不安のほうが大きかったです。学生って、なんだかんだ保険があるじゃないですか。例えば、学生のときは仕事がない日でも学校に行ったり、何かやることがあったりするけど、社会人になってお休みがあると「仕事をしていない」ってすごく感じてしまいます。僕自身はそこを楽しめたタイプではあるけど、周りがどんどん仕事をしているのに「自分は……」 と考えることはたまにありますね。
赤澤 僕は大学一年生のころからこの仕事をしているのですが、学生と社会人になった境界がわりと曖昧というか。たぶん健介さんも一緒だと思うんだけど、自分がいつから社会人になったのか、正直わからないんですよね。なので、そういうことで悩んだことは良くも悪くもありませんでした。
高橋 周りが変わっていく感覚なんだよね。僕らは学生のときから仕事をしているので、生活リズムはそんなに変わっていないと思います。だけど、友達は4月になったら新社会人になって、新人歓迎会があって、休みも基本的に土日しかいない。そういう周りの生活が変わっていることに対しての思いはありましたね。
赤澤 社会人になった友達と会うと、なんか全然違いましたね。就活した前と就活した後だと使う言葉も違って、僕らにはない感覚だなと感じていました。
高橋 友達に「弊社」って言われたら、なんか腹立つもんね(笑)。
赤澤 わかる! 「弊社」なんて、絶対それまでに人生で使ってこなかった言葉だもんね。あとは「イニシアチブ」とか、難しいカタカナ語を使ってきて「何それ?」って思っていました。
高橋 絶対「過程」のこと「プロセス」って言うしな。
──難しい言葉や覚えたてのカタカナ語を使ってみたいお年頃なんですよね(苦笑)。
赤澤 そう!「プロセス大事にしなきゃね」とかね(笑)。「『過程』のほうが文字数少ないのにな」って思うんですけどね。あとは「この間セミナーに行ってさ~」とか。
高橋 それが怪しいセミナーじゃなきゃいいけどね(笑)。でも、そういうところでの違いや感覚のズレみたいなものは、うっすら感じましたね。
気づいたら歩んでいた俳優の道
──おふたりが役者という道に進もうと決心したきっかけは、何かあったのでしょうか。
赤澤 僕は、最初のうちはわりと「やらされている感」が強かったんです。それが、あれよあれよという間に引き返せないところまで来ていて。でも、そうやってお仕事をしていく中でお芝居と真摯に向き合っていく人たちに出会って、自分の中の気持ちも変わっていきました。
自分で「ターニングポイントになったな」と思ったのは、初めて主演をやらせていただいた『龍よ、狼と踊れ〜 Dragon,Dance with Wolves〜』です。この作品でお芝居の楽しさを知って、この道を進む覚悟みたいなものができたかなと思います。
高橋 僕は「気づいたらこの仕事をやっていた」という感覚ですね。大学生のとき、就活しようかなと思いながらも、なんとなくその時期が過ぎて「社会人3年目までは新卒扱いになるから、その間は自由にできるかな。そこで役者の仕事がなくなってもまだ間に合うかな」と思っていたら、その3年も気づいたら終わっていて。
なので、「僕は役者として絶対にこの道を進むんだ!」って思ったことはないです。この仕事をしながら「僕は役者としてやっていくんだな」と思い始めたというほうが正しいかもしれない。それがいいのか悪いのかはわからないけど、結果として進んできた道の延長線が役者でした。
赤澤さんが撮影現場で見かけた、高橋さんの「意外なイチメン」
──では最後に、私と担当編集が言い出した名物(?)企画「イケメンたちの意外なイチメン」に移りたいと思います。せっかくなので、今回の作品を通してそれぞれ発見したお互いの「意外なイチメン」があれば、ぜひ教えてください。
高橋 遼太郎は意外なところがないのが、ある意味「意外なイチメン」じゃないかな。ファンに対しても真摯で裏表がないし、世間のイメージとひとつのズレもないくらい。まぁ、それはあくまで僕の印象ですけど、これまでの共演や、今回の撮影で一緒にいる時間、プライベートな部分を見たうえでも変わらないです。普通は「こんなところあるんだ」ってところがだいたいの人はあるものなんですけどね。
赤澤 それを言ったら、健介さんもわりとパブリックイメージとかけ離れていないと思う。僕の中では、「どんな仕事にも準備を用意周到にしている人」という印象があって、撮影現場でも、次の仕事の勉強をずっとしているんです。そういうところは健介さんのファンの人もきっと知っていることだと思う。
あ! でも、今回の現場で健介さんのかわいい一面を見たんですよ。朝早い現場だったのですが、健介さんは撮影前に歯を磨きながら寝ちゃってて。僕、思わず写真に撮っちゃった(笑)。
高橋 マジで!? 僕は覚えていないけど、それ絶対お母さんに怒られるじゃん(笑)!
赤澤 そういう意外な一面が今回の撮影で見れたのは、ちょっと嬉しかったです!
(取材・文/根津香菜子、編集/福アニー、撮影/松嶋愛、ヘアメイク/Kanagon。(Beauty Salon nagomi)、スタイリスト/西川志都(Tatanca))
【Profile】
●赤澤遼太郎(あかざわ・りょうたろう)
1997年1月11日生まれ、神奈川県出身。2015年、舞台『CHaCK-UP―Episode.0―』で俳優デビュー。その後、舞台『おそ松さん』『あんさんぶるスターズ』『A3』『xxxHOLiC』等で人気の役を射止める。近年はCMやバラエティ、TOKYO MX連続ドラマ『救出劇』の主演、『あさステ!』のパーソナリティ、ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』など、多方面で活動している。
●高橋健介(たかはし・けんすけ)
1994年12月24日生まれ、東京都出身。高校生のころより芸能活動を開始し、2015年、ドラマ『ウルトラマンX』にて主演(大空大地役)を務める。翌年、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(蜂須賀虎徹役)に出演するなど、TVや映画、舞台、YouTubeなど幅広い活動をしている。
【Information】
●映画『アキはハルとごはんを食べたい』
出演:赤澤遼太郎、高橋健介、赤羽流河、櫻井佑樹、竹内星菜、田中優香、青山ひかる、永山たかし、柴田理恵
監督:川野浩司
脚本: 川崎龍太
公開日: 2023年6月2日(金)より、シネマート新宿ほか2週間限定公開
(C)たじまこと/竹書房・「アキハル」製作委員会