人間とともに社会で生きる猫たちの姿を、一歩一歩あゆむように伝える新連載「猫の道フミフミ」。第2回は台湾の台北郊外にある猫スポットをレポートします。
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台湾といえば猫。猫と言えば猫だらけの村「猴硐(ホウトン)」です。日本でも有名な村なので行かれた方も多いと思います。私も2016年に続いて今回2回目ですが、猫たちはあいかわらずフレンドリーでした。まさに最強の猫スポットです。
前回撮影した猫との再会も果たし、また、どうやら血縁関係がありそうな猫とも初のご対面もあったりと、楽しい時間を過ごしました。複数の猫を飼っている方ならご存じですが、猫はとても縄張り意識が強い動物。なので、連日通ってもほぼ同じ場所にいて、それが猫村散策を楽しいものにしてくれるんです。
以前よりもぐいぐい人に寄ってくる猫が多い気がします。おやつを観光客からもらえると学習しているようです。あちこちで人と触れ合う姿がありました。もちろん猫も気質がそれぞれ違いますから、人を見ると距離をとるタイプや、まったく気にしないタイプもいます。そんなそれぞれの猫たちの反応も微笑(ほほえ)ましいものです。
自主的に看板猫を務める子たちも
ホウトンの猫たちはとっても積極的でしたが、なぜか村人の姿はほとんど見ませんでした。コロナ禍の影響なんでしょうか。以前は自宅前に小さなテーブルを出して猫グッズを販売していました。それが今では新しいお店やおしゃれカフェが軒を連ねています。実際私もカフェに入りましたが、どの店も外から来た若者が経営しているように見えました。今後はそんな若い力で猫村を盛り上げていくのでしょう。猫たちも積極的に看板猫を務めています。
猫スポット巡りには「松山」駅がオススメ
「ホウトン」は台北から電車で1時間ほど。地下鉄の駅やコンビニで購入できる悠遊カードという交通系ICカードを利用すると便利です。私は前回の台湾旅行時に手に入れたカードを持っていたのでそれを使いました。
また「ホウトン」などの猫旅を予定しているなら、宿は台北駅周辺ではなく、台北松山国際空港近くの駅「松山」をおすすめします。松山は台北駅の隣の駅で、急行も止まります。台北駅ほど大きくなく、構内でも迷いません。駅近くには有名な観光名所のグルメ夜市もあり、ホテルと空港間はタクシーで10分ほど。前回紹介した猫カフェ「小春日和」も徒歩圏内です。他にもいくつかある猫カフェにも歩いていけるし、地下鉄駅もあります。ちなみに松山はソンシャンと読みます。
いかがでしたか、猫好きなら必ず訪れたいホウトン。日本からも近い、猫に優しい台湾をぜひ訪れてください。羽田空港から行けるのもいいですね。
《執筆者プロフィール》
南幅俊輔(みなみはば・しゅんすけ) 盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に『ソトネコJAPAN』(洋泉社)、『ワル猫カレンダー』『ワル猫だもの』(マガジン・マガジン)、『踊るハシビロコウ』(ライブ・パブリッシング)、『ハシビロコウカレンダー』『ハシビロコウのふたば』(辰巳出版)など。企画・デザインでは、『美しすぎるネコ科図鑑』(小学館)、『ねこ検定』(ライブ・パブリッシング)『ハシビロコウのすべて』『ゴリラのすべて』(廣済堂出版)などがある。