寝苦しい季節。エアコンのタイマーを何時間後に切ろうかな~、布団1枚掛けて寝るのは暑いし、何も掛けないのも心もとないしな~、冷蔵庫の中の期限切れの納豆、明日こそ食べよう、明日こそ食べようとか考えてるうちに、いつの間にか寝落ちしているつぶやきです。
夏の道路で勃発する“日陰バトル”、勝っても負けてもなんかアレだよね〜
ニュースでさ、「猛暑なので、むやみに外に出ないでください」って言ってたのに今度は「家の中にいるときも熱中症になりやすいんです」なんて言われちゃうと、もうどこにいたらいいの? ってなるよね。
外に出たら出たで、大きい道を歩いてて、反対側のほうが日陰が大きいから渡ろうかな、でも目的地はこっち側だからめんどくさいなとか迷っちゃうよね。結局そのまま細〜い日陰を渡り歩くんだよね。建物すれすれで歩くよね。なるべく直射日光を浴びないように。すると敵が前から歩いてくるじゃない。お互い譲らないよね。やだよね~影の取り合い。
僕も前から来てるのを知りませんでした、みたいな空気出して下向いて歩いていれば、勝手に向こうが避けてくれるんじゃないかって思うんだけど、お互い近づくにつれ、我慢できなくて結局、自分がどいちゃう。悔しいけどね。相手も避ける気なかったんだな~。考えてることは一緒だよね。でも自分が避けてよかったかな。もし相手が避けて自分がそのまま日陰を歩けたとしても、そのあと自分に対する嫌悪感でちょっと落ち込むんだよね。テストの範囲を間違えて勉強しちゃったときくらい落ち込むね。
毎年おなじみ「アイスクリーム頭痛」からの、2000円のかき氷に仰天だよね〜
あ、やっぱ、かき氷を食べたくなるよね。そして急いで食べて頭が痛くなるよね。そろそろ来るな~ってわかってて食べ続けるから頭痛くなるよね。何回そのミスを繰り返せば気が済むんだろうね。僕も50歳過ぎて、この前もやったよ。この現象は知ってる人も多いと思うけど「アイスクリーム頭痛」って医学的な名称があるんだよね。でもお風呂につかりながら、かき氷を食べれば、アイスクリーム頭痛は起きないって聞いたことあるけど、どっちにしてもなんでこんな現象が起こるのかは、まだ解明されていないらしい。脳って奥深いよね。
いやいや、そんなことより、かき氷が高級になりすぎてない? 1杯2000円って! 僕なんか昔の人間だから、氷だよね? ってなっちゃう。300円か400円程度じゃないのって。わかるよ、シロップがマンゴーとかイチゴの濃いやつで、大きくてふわふわしてインスタ映えするんでしょ。それでも高くない? タピオカミルクティーも高いと思ったけど、ブームが済んでホッとしたんだよね。でも、この高級かき氷のブームは、まだまだ続きそうだな。もうすでに何年もたっているもんね。
本当に天然水でいい食材にこだわって、かき氷の地位をあげようと努力して開拓した人の店の2000円はいいのよ。そうでなく、ただ「流行(はや)ってるし原価率もよくて儲かるし、修業しなくても簡単にできるっしょ」って安易に店を出して、ちょちょっとマネて作ったかき氷を、「どの店もそうだし1500円から2000円くらいでいけるっしょ」って便乗する店に、それは高いって言ってるの。サクレ何個買えると思ってんの。何回いちばん上のレモンスライスの置き場に悩めばいいと思ってんの。そういう店に限って儲けたくて、「1人1品注文」とか書いてあんの。まあまあ氷の量多いし、1人で食べると身体も冷えちゃうし、当然高いからふたりで食べたいとこだよね。それをさせない感じとか嫌だな。映画館で他の人もいるのにリアクションのでかい人くらい嫌だな。
ラーメンやテーマパークの食べ物も高いよね。値段に見合う価値なのかな〜
マネごとの得意な日本人。なんかズルいって思っちゃう。ラーメンにも、この高級化現象あるよね。ラーメン1杯1000円! トッピングを乗せたらすぐに1300円とかになっちゃう。僕なんか昔の人間だから、ラーメンだよね? ってなっちゃう。いつから玉子は別料金になったの? 昔は最初から乗ってたよね。なんか、おしゃれな器でちょっと小さくて量も少ないし。「なつかしラーメン」って謳っていても、値段は思いっきり現代だよね。
ラーメンにこだわって、いちからスープ作りをして地道に努力してきて、やっと日の目を浴びた人の1杯1000円はいいのよ。「粉ものだから、すぐできるっしょ」って、ちょっとどこかのラーメンをマネて「どこもそうだし、まー1000円でいけるっしょ」っていう店のラーメンが高いって言ってるの。
先人がラーメンを1000円でもおかしくない価値にまで築き上げたのに。その苦労たるや。「え、ラーメンなのに700円もするの?」って言われた時代もあっただろうし、そういうのを黙らせて、味で納得させてきたから今があるのに、それをいとも簡単に「はい、1000円いただきます」って。まずくはないが、これと言って。これで1000円か~ってなる。まーね、こういうことを言うと、原材料が高騰してるし、人件費だってあるんだからしょうがないだろ、じゃあ食べるなって言われるんだけど、そうなっちゃうと何も言えなくなっちゃうもんね。いろんな価値観あるよね。
つって、まだ話すんだけどさ、テーマパークとかの食べ物も高いよね。それは昔からか。そういうもんでしょ。景色代も込みでしょ。それも大事な収益のひとつだからとか言うし、高いのは当たり前で、そこは言っちゃいけないみたいな空気出してるよね。確かに場所代も含め適正な値段なんだろうね。でもそうやって周りが受け入れているからって、それに甘えてたら、ちょっとね。だいたい味は落ちるよね。焼きそばを、よくこんなにおいしくなく作れるなってのもあったりするよね。この園内じゃなかったら潰れてるよって店あるよね。値段は高くてもせめて普通の味であってほしいね。もうお腹いっぱいにして遊園地に行くしかないね。ソフトクリームが無残な姿で落ちてるけどね。
イラストは400円のかき氷。シロップの味は何色でも一緒だけど一応イチゴ。タイトルは「かき氷の中に、たまにちょっと大きめの氷あるよね」です。
(文・絵/つぶやきシロー)
【PROFILE】
つぶやきシロー ◎1971年3月10日、栃木県生まれ。お笑いタレントや俳優として活動するかたわら、2011年からは小説も執筆。2021年には、著書『私はいったい、何と闘っているのか』(小学館刊)が安田顕主演で映画化された。2022年4月、新著『こんな人いるよねぇ~──本を読んでつぶやいた』(自由国民社刊)を上梓。また、2009年から公式Twitterでほぼ毎日「あるあるネタ」をつぶやき続けて大人気に。フォロワー数は99万3000人を超える。(2023年7月現在)
公式Twitter→@shiro_tsubuyaki