2022年8月3日のことだった。『第35回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』BEST75に進出し、さらなる高みを目指して筋肉を鍛え、精神も鍛錬し続けてきたくまモン自ら、衝撃の発表。
「グランプリへの挑戦を、今日でおわりにするモン・・・」
う~ん、う~んと悩み、決断を伝える動画や、決意表明も公式Twitterにアップされた。これには、ファンの間に激震が走った。
そして、この発表から17日が過ぎた8月20日、『第35回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト BEST30お披露目記者会見』に、くまモンが元気な姿を見せた。
くまモンは何を考え、どうして挑戦を終わりにしたのだろう。「てっぺんを目指す」はずではなかったのだろうか・・・。記者会見の様子とともに、くまモンの心境を伺いに行った。
自慢の一芸は“崩壊”するも、未来のジュノンボーイたちに全力でエール!
20日、くまモンは都内某所で開催された『第35回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト BEST30お披露目記者会見』会場へとやってきた。会場に入る前から、いつものように周りに手を振ったり、偶然、付近を通りがかった“小さなお友だち”に目線を合わせてしゃがみこんだりと平常心。
会場内の控室に入り、出番を待つ。そして本番が始まった。この模様はライブ配信もされている。
まずは、BEST30に選出された男の子たちが30秒の持ち時間で自己紹介。ギターを弾いたり、バスケットボールを指で回したり、トイレットペーパーを脚でリフティングし続けたりと、一芸を披露する子も多い。
イベントに駆けつけた俳優・松本大輝さん(23歳・第31回グランプリ)が見守り、候補者たちにコメントを送る。彼は現在、テレビ東京系で放送中の『ウルトラマンデッカー』で主役を演じており、グランプリを目指す男の子たちにとっては大先輩だ。
そしてついに、司会者が「今日はスペシャルゲストにお越しいただきました。ジュノンボーイ応援大使のくまモンです!」と、くまモンを呼び込んだ。扉が開き、応援大使の真っ赤なたすきをかけたくまモンが勢いよく走り込んでくる。居並ぶ男の子たちに熱いエールを送り、改めて視聴者や松本さんにもごあいさつ。配信画面が一気に盛り上がる。
するとくまモン、松本さんに“光線対決”を挑む。それだけでは飽き足らず、「ボクも一芸するモン!」。
くまモンが取り出したのは、予選会のときにも披露した腹筋ローラー。どうやら、あのときよりもっと高速でできるようになったらしい。背筋を伸ばして、腹筋ローラーを足元に置く。
・・・。
・・・やたらとためをとって〜からの~、ニヤニヤしながらも、自信満々にローラーに手をかけた。一気に超高速腹筋いくか・・・と思った瞬間、ローラーが完全崩壊、部品が飛び散った。
後ろで見ていた男の子たちから、爆笑がわき起こる。くまモンはぼう然・・・。周りの人たちが部品を拾い集めてくれると、ハッとわれに返って、おじぎをした。
まさかの事態は起こったが、すぐに立ち直るくまモン。候補者らにさらなるエールを送り、一緒に写真を撮って、記者会見は終了。男の子たちを出口に誘導、肘タッチをして全員を送り出した。
自らも廊下に出ると、今度は松本さんとツーショット。撮影しながら、松本さんにウルトラマンデッカーの技をしかける。もしかしたら次期ウルトラマンへの出演をもくろんでいたのだろうか。ところが、相手は現役のウルトラマンデッカーだ。あっけなく光線や衝撃波を浴びて転がってしまった。だが、くまモン、どこまでも楽しそうだ。
挑戦を終えたときの心境は? “真のイケメソ”とは? 独占インタビュー
ようやくくまモンの仕事も終わり、控室を直撃した。
そうっとのぞくと・・・テーブルの上のパンに手が! 次の瞬間、ハッと振り向いたくまモン、何事もなかったかのように「どうぞ入ってくまさい」と手招きしてくれた。食べようとしていたのに申し訳ない。
どうしても聞きたいことがあった。なぜコンテスト挑戦を途中で終わりにしたのか。苦渋の決断はいつ?
くまモンは、う〜ん、う〜んと頭を抱えた。考え込むそぶりも。それほど悩んだということらしい。
チャレンジしている時期が、とても楽しかったのだという。だが毎日、同じように、いや、もっとがんばっている男の子たちの姿も目に入っていた。いつしか心の中で「このままでいいのかモン」という疑問がわいたそうだ。でも、みんなに応援してもらって「てっぺん」を目指すのも楽しい。だからこそ苦しんだし、葛藤にさいなまれた。それでも日に日に、自分の行くべき道が見えてきたそうだ。
「やっぱり応援に回ったほうが、ボクらしいような気がしたモン」
「だってボク、しあわせ部長だモン。みんなにハッピーとサプライズを届けるのがお仕事だモン!」
悩み抜いたくまモンだが、その思いから、「応援に回る」と決めた。そして冒頭に載せたように、自ら決意表明のコメントを出したのだ。応援してくれた人たちへの感謝を込めて。
「本当に本当に楽しかったモン。応援してくまさった方たちには、感謝しかなかモン」
くまモンは何度も何度も、そのことを伝え続ける。『SHOWROOM』生配信をしているときの応援コメントがすごく力になったこと、コンテスト用に投稿した画像や動画に、毎日コツコツと“CHEER”(投票)を送ってくれた人たちがいたこと。TwitterなどSNSにも、“いいね”や励ましの言葉がたくさん届いたこと。それがうれしくて、そして、そういうみんなを喜ばせたくて、この5か月、走り続けてきたこと。
イケメソを目指して、筋トレに美容にとがんばった。そして、1万5000人を超える応募者の中から、BEST75に入った。
てっぺんを目指していたけれど、「がんばる人を応援しつづける」のは、くまモンの使命でもある。熊本地震のときも、人吉球磨地域の令和2年7月豪雨災害のときも、そうやってくまモンは常に人に寄り添ってエールを送り続けてきたのだ。
「コンテストにエントリーして、応援してもらううれしさに改めて気づいたモン!」とも言う。だからこそ、コンテストチャレンジは終わらせてもいい、と思ったのだろう。
その後、JUNON編集部から、“くまモンの頑張りを見て、ご提案があります。これからは「応援大使」として、候補者のみんなを応援してくれませんか?”と手紙が届いた。それを快諾し、BEST30お披露目記者会見へのゲスト出演が決まったのだ。お便りを受け取ったとき、くまモンは大喜びで、興奮のあまりくしゃくしゃになった手紙を、動画や写真で披露した。
「これからも真のイケメソを目指す」
そう宣言したくまモン。「くまモンが考える、“真のイケメソ”ってどういうタイプ?」そう聞くと、くまモンは自信満々に自分自身を指さした。・・・え?
(取材・文/亀山早苗)
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