10歳から芸能活動を始め、俳優としてアニメ映画『思い出のマーニー』出演、タレントとして日本テレビ『ZIP!』出演など多方面で活躍している石山蓮華さん。
フムフムニュースでは以前にも、電線を愛してやまない「電線愛好家」としての活動についてインタビューしましたが、この春、そんな彼女に大きな注目が集まりました。
惜しまれながら2023年3月に終了した人気番組『たまむすび』の後を受け、月曜〜木曜午後1時から放送のTBSラジオ『こねくと』のメインパーソナリティに就任したのです。
「TBSラジオの昼の顔」という新たな肩書を持つことになった蓮華さんを中心とする、新番組の現場に密着しました。
『こねくと』リスナーの“輪”が増えるのがうれしい
密着取材日に、蓮華さんがTBS入りしたのは11時40分ごろ。生放送の準備や打ち合わせに入る前に、「番組には慣れましたか?」と軽く尋ねたところ、「今まで気ままにだらだらと過ごしていたので、“明日も(放送が)ある”というのがうれしくて……。毎日が楽しみだなぁと」。
電線愛好家としてラジオにゲスト出演した経験はあるものの、帯番組のメインパーソナリティに就任した喜びは隠しきれない様子。
「(ジェーン・スーさんの)『生活は踊る』や、(荻上チキさんの)『Session-22』はよく聴いていました。『タマフル』(=『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』)や『アフター6ジャンクション』を聴いて趣味の幅を広げられたし、菊地成孔さんの番組(=『菊地成孔の粋な夜電波』)は前口上がカッコよくて」
「ラジオは大学生時代から聴いていた」という蓮華さんが聴いていた番組は、すべてTBSラジオ。この時点では、「TBSに気を遣っているのかな?」と思いましたが、実はそうではなかったことが後に判明することに。
LINEのオープンチャットやYouTubeチャンネルでの生配信など、『こねくと』ではリアルタイムにリスナーと“こねくと(=つながる)”できるコンテンツが充実。今回の取材を“こねくと”していただいたTBSラジオの赤木舞子さんも、「反響がスゴいですね」と手ごたえを感じています。
「海外の方からも“YouTubeチャンネルを観ています”という声が届きます。LINEのオープンチャットも温かくて心の栄養補給になっていますし、リスナーさんの“輪”がいろいろな場所で広がっているのがうれしいです」(蓮華さん)
12時にスタジオに入って準備する蓮華さん。取材日が火曜だったので、曜日パートナーのでか美ちゃんも合流。この日が顔を合わせてまだ3回目だったにもかかわらず、年齢がわずか1歳差ということもあってか、会話も自然と弾むようです。
この日放送するコーナーの内容を放送順に確認していると、番組内で気象情報を伝える気象予報士の池田沙耶香さんが挨拶に。そこで池田さんが、でか美ちゃんにハロー!プロジェクトグッズをプレゼント。大のハロプロヲタである、でか美ちゃんのテンションはすでに頂点に達していました。
軽食をつまみつつ、入れ替わり立ち代わりスタジオに入るスタッフと打ち合わせをする蓮華さん。生放送だから慌ただしく緊張感いっぱいかと思いきや、全体的に和やかで、かつ笑顔も絶えない舞台裏でした。
でか美ちゃんとは友達感覚で波長がぴったり
12時55分、前枠番組『ジェーン・スー 生活は踊る』のエンディングでの、スーさんとのクロストーク。「ずっとファンだった」というスーさんから、でか美ちゃんとのユニゾンの多さを褒められ、「7・7・7みたいな感じですか」と答えた蓮華さん。「なんでスロットに喩(たと)えたの?」とツッコまれ、実にうれしそう。
午後1時。『こねくと』の放送がスタートし、まずはでか美ちゃんとのフリートークから。前回の放送後に、LINEを“こねくと”し合ったという蓮華さんですが、まだトークをするまでには至っていなかった様子。それでも、「家でしゃべっているかと思うぐらい気が抜ける」「学生時代の友達感がある」と、ここでも互いに波長が合うことを再確認。
1時台後半のコーナーは、他愛もないけど、答えの中に個性が出るような「クエスチョン」を設定して語り合う「みんなはどうなの?こねくちょん」。今回のテーマは「寝床、どこ?」。
寝室専用の部屋に大きいベッドを置いているというでか美ちゃんに対し、「ペット用のベッドに頭を乗せて寝てしまう」という蓮華さん。「もう1個(ペット用ベッドを)買えば?」という、ごもっともなアドバイスに思わず納得。スタッフも、そんな2人の女子会的なやり取りを、微笑ましく見ながら進行します。
2時台前半は、日替わり企画コーナー「こねくとネット」。火曜は、蓮華さんとでか美ちゃんが年長者の進路相談に乗る、「ライフ・イズ・ニュートラル!~大人の居場所を考える~」です。
この日の相談者はNBCラジオ佐賀の村山アナウンサー。「佐賀のいいところをどうアピールすれば?」というお悩みに、「しゃべりが達者な分、だんまりで食レポをやってみれば」「3ワードだけでおいしさを伝えては?」「できないことも才能のひとつにしたら……」など、奇をてらったようでもなかなか真理を突いたアドバイス。
大ベテラン・町山智浩さんと爆笑トークも
後半は火曜オリジナル企画「ハロー・プロブレム!」。リスナーから寄せられたなんだかスッキリしない気持ちやモヤモヤを、でか美ちゃんが素晴らしい選曲で解消します。「緊張せずに相手に話しかけられるよう勇気が出る曲を」というリクエストに、でか美ちゃんからのアンサーソングは、Berryz工房の『ライバル』。ハロプロを語らせたら右に出る者はいないのでは、と思わせるでか美ちゃんの歌詞の読み解きに唸(うな)りつつ、曲に合わせて身体を揺らしていた蓮華さんです。
3時からは、日替わりゲストによる情報コーナー「午後3時のビリビリ」。火曜担当の映画評論家・町山智浩さんは、実に15年以上もお昼のTBSラジオに出演している大ベテランですが、要所要所でボケ情報を入れるのが特徴。前回も、映画『テトリス』を面白おかしく紹介していました。
そんな町山さんに、でか美ちゃんがオープニングで予告したとおり、「ジジイ、てめえ嘘つきやがったな!」と一喝。これにはスタジオ中が爆笑!でも、「これからもファクトチェックしていただければ」と、ツッコまれて町山さんも満足そう。
エンディングトークでは、「学生時代の友達と今でも連絡を取り合っている」というリスナーメールを蓮華さんが読むと、「もしかしたら20年後には『こねくと』の曜日パートナーと大親友になってるかも」と返したでか美ちゃん。オープニングでの「学生時代の友達感」トークの流れを、エンディングで上手く“こねくと”したキャストとスタッフのチームワークが冴えわたったところで、この日の放送も無事終了しました。
※後編の石山蓮華さんインタビュー記事に続きます
(取材・文/松平光冬)
《PROFILE》
石山蓮華(いしやま・れんげ) 1992年生まれ、埼玉県出身。電線愛好家・俳優・文筆家。電線愛好家として『タモリ倶楽部』などのメディアに出演するほか、2022年より日本電線工業会公認「電線アンバサダー」としても活動。俳優として舞台や映画、CMなどに出演中。文筆家として「電気新聞」「ウェブ平凡」などに連載・寄稿。晶文社より読書エッセイ『犬もどき読書日記』を刊行。最新刊エッセイ『電線の恋人』(平凡社)が好評発売中。