妻のイライラを夫が理解できた瞬間

 ものが散らかっている状態を見ると「汚い」と感じる妻がイライラするのはわかりますが、視覚情報よりも体感覚が優位に働く夫は、見ただけでは「汚い」と感じられません。夫が悪いわけでもないのです。

 そこで私がしたことは、夫にものが散らかっている状態を体で感じてもらうことでした。夫に、「散らかっているものをすべて布団の中に詰め込んで、くるまってみてください。どんな気分ですか?」と聞くと、「こんな状態を妻は体験していたんですか。これは嫌ですね」。

 こうして、妻が感じる「汚い」を、夫もようやく理解することができました。以降は、もめることが極端に少なくなったといいます。

 脳タイプが異なると、夫婦間でも、わかりあえないことはよくあることなのです。

『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』(西剛志著/アスコム刊) ※記事中の画像をクリックするとアマゾンの商品紹介ページにジャンプします

《PROFILE》
西剛志 ◎脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表。LCA教育研究所顧問。日本の脳科学者20人のひとり。1975年、宮崎県高千穂生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻修了。2002年に博士号を取得後、知的財産研究所に入所。2003年に特許庁に入庁。大学院非常勤講師を兼任しながら、遺伝子や脳内物質など最先端の仕事を手掛ける。その後、自身の夢をかなえてきたプロセスが心理学と脳科学の原理に基づくことに気づき、2008年に世界的にうまくいく人たちの脳科学的なノウハウを企業や個人向けに提供する会社を設立。個人向けサービスから、講演会、分析サービスなどで10000名以上をサポートしている。

(編集・構成/春原恵)