サラダチキン&あのアイスが人気

 ある競技会場近くのコンビニ店長は言う。

「五輪期間中、外国人客によく売れたのはワインやウイスキー。緊急事態宣言下の都内の飲食店は酒類を提供しなくなっているため宿泊先で飲むのでしょう。せっかく来日したのに日本酒は売れていません。つまみもビーフなど肉類が好まれ、“あたりめ”などには手を出しません」

 さまざまな行動制限をかけられる中、リラックスするための酒で異国情緒を味わう気にはなれなくなっているのだろうか。

 一方で、意外な商品が人気になっていた。

「サラダチキンがかなり売れています。大会関係者にしろ、報道陣にしろ、アスリートを相手にしている人たちですから、タンパク質が豊富で身体づくりの源になるサラダチキンを気にいったようです。風味のバリエーションが多いのも人気の要因かもしれません」(前出のコンビニ店長)

 別のコンビニ店長はにこやかに話す。

「意外に売れたのはアイスの『チョコモナカジャンボ』です。なぜ売れたか? サイズがジャンボなところが受けたんじゃないでしょうか」

 一帯を歩いていると、大会スタッフがタオルと紙製扇子を無料配布しているのに何回も出くわした。タオルは水にぬらすと冷たくなるといい、扇子には臨海副都心地域の会場案内のほか、《熱中症に気をつけて、東京2020オリンピック・パラリンピックを応援しよう!》と数か国語で書かれている。

 無観客なのにどう使えばいいのか。

「純粋に熱中症対策として使ってくださればいいんです。せっかく作ったのに、配らないともったいないじゃないですか。海外の方から“What is this?(これは何?)”と尋ねられたときは、“クールタオル&ジャパニーズファン”と答えています」

 五輪応援グッズは熱中症対策グッズに切り替えられ、連日の暑さで配り始めるとすぐなくなるほど人気だった。

熱中症対策グッズを無料配布するボランティアら。本当は応援グッズになるはずだった
無料配布されていたぬらすと冷たくなるタオル(右)と、折り目をつけると扇子にもなる会場案内図