思わず誰かにLINEしたくなる、知って楽しい、おもしろ雑学を2つ紹介。今回は、貯金箱のデザインに豚が使われている理由と、なぜ台風にはハリケーンのように名前ではなく番号がついているのかについて。

貯金箱のデザインはなぜ豚?

【Q 】貯金箱のデザインに豚が使われているのはなぜ?

【A】職人が注文を聞き間違えたことがきっかけです。

 貯金箱というと、豚の形をしたものをイメージする人が多いだろう。豚が貯金箱の定番のデザインとして使われているのはなぜなのか。尼崎信用金庫の世界の貯金箱博物館館長の見通勉さんに話を聞いた。

「諸説ありますが、豚の貯金箱が定番になったのは、18世紀のイギリスでpygg(ピッグ)と呼ばれる赤い粘土から作られた貯金箱を注文された職人が、同じ発音で豚を意味するpigと勘違いして豚の貯金箱を作ってしまったことがきっかけだといわれています。勘違いから作られた豚の貯金箱でしたが、かわいいと評判になり、イギリスからヨーロッパ中に広まっていきました」

 豚は1度にたくさんの子を産むことから世界各地で繁栄や幸運の象徴とされており、縁起物であったことも、豚の貯金箱が広まった要因のひとつだろうという。

 また、豚は肉や皮はもちろん、血や内臓に至るまで、捨てるところがなく有効に使うことができるので、「無駄遣いをせずにお金を貯められる」という意味で豚の貯金箱が使われるようになったという説もある。

 それでは、日本に広まったのはいつごろなのだろうか。

昭和30年~40年くらいに、当時の銀行が口座を開設した人を対象に、豚の貯金箱をノベルティとして日本全国で配りました。それが、日本で『貯金箱といえば豚』というイメージをつくったきっかけといえるかもしれません」(見通さん)

「台風」と「ハリケーン」は気象学的には同じもので、太平洋上の日付変更線を境にして呼び方が変わる

台風はなぜ○号?

【Q】人の名前がつけられているハリケーン。台風はなぜ○号?

【A】実は台風にも名前あり。アジアの国と地域が持ち回りで名づけを。

 毎年アメリカなどで大きな被害をもたらすハリケーン。カトリーナ、リタ、マリア……など人の名前がつけられているが、台風は発生順に「台風○号」と数字で呼ばれている。台風に名前はついていないのだろうか。

 気象予報士の片平敦さんによると、「台風にも名前がつけられています。名前を決めているのはアジアの14の国と地域で組織されている『台風委員会』です。ただ、日本では昔から台風○号と呼ぶ習慣があるので、混乱を避けるために名前ではあまり呼ばれません」とのこと。

 台風につけられる名前は、台風委員会のそれぞれの国がつくったものだという。例えば、9月中旬に日本を襲った台風14号には、カンボジアがつけた「チャンスー」という花の名前がついている。

「アジアの国々にちなんだ名前をつけることで、台風をより身近に感じてもらって防災意識を高めつつ、互いの国を理解するきっかけにもなればと考えられています。また、名前は14の国と地域のそれぞれが10個ずつつくり、全部で140個あります。台風が発生するのは年に平均約25個なので、5〜6年で使い切ってしまいますが、基本的には140個が終わると最初に戻り、繰り返し使われます」(片平さん)

 140個の台風の名前のうち、日本からは星座に由来する10個を提案している。星座は人々に親しまれていて、台風と同じように空に関するものだからだという。日本が作った名前が次に割り当てられるのは「コンパス」という南半球の星座の名だ。