スーパーやコンビニでも買える「せん切りキャベツ」。料理がめんどうなときに、手をのばすこともあるのでは。使うのはいつもサラダだけ? だとしたら、実にもったいない! 焼いたりあえたりと副菜作りに重宝なのだ。
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どんな料理にもアレンジしやすく、食卓の定番野菜であるキャベツ。実は新型コロナウイルスが流行して以降、キャベツを購入する人が増加傾向にある。
パッケージサラダの製造・販売を行うサラダクラブのアンケート調査「サラダ白書 2021」(調査対象は全国2060人の男女、複数回答可)によると、「コロナ禍で食べる量が増えた野菜」の1位はキャベツ(15.6%)、続いて玉ねぎ、白菜、ブロッコリー、大根という結果に。
その背景について同社は、
「コロナ禍で家食が増えたため、1年中手に入れやすく、汎用(はんよう)性の高い野菜として、キャベツが注目されたのでは」
と、みている。
キャベツは天然の胃腸薬
健康効果について、管理栄養士の吉野愛さんに聞くと、「キャベツは胃腸の働きを整える効果が高い野菜。運動不足で働きが弱った腸などをサポートしてくれるので、コロナ禍の今、意識的に摂取する人が多いと思います」
胃腸の働きを整える栄養素はビタミンUで、別名キャベジン。有名な胃腸薬が思い出されるが、キャベツに最も多く含まれる栄養素だ。
「不溶性の食物繊維も豊富なので、便秘解消に効果抜群です。またビタミンCもたっぷりで抗酸化作用が高く、ストレスを感じやすい人は特にとってほしい野菜なんです」
胃腸が整えば免疫力もアップするので、コロナ禍には積極的にとりたい食材といえる。
1袋2~3人分、アレンジも自在
そこで吉野さんがおすすめするのが、市販のせん切りキャベツだ。
「1袋2~3人分、150g前後がパックに入っています。水洗い不要でそのまま食べられるので、とっても手軽。生のままサラダとしていただいてもいいし、細かくせん切りされているので、いろいろな料理にアレンジもしやすいんですよ」
肉で巻いたり、パスタに入れたり……封を開けてパッと加えるだけなので、調理時間もスピーディー。おまけに量も、一度に食べ切れるジャストサイズなのでフードロスの心配もない。
「ビタミンUやCは加熱に弱いので、調理するときはレンチンや余熱で火を通すくらいがベスト。歯ごたえもよく、おいしくいただけますよ」
市販のせん切りキャベツは、傷まないように水けをとばしているので、パサつきが気になる。
「生で食べるときは、一度水にさらして。また封を開けたままの保存はNG。酸化して黒ずんできてしまいます。開けたら食べきるようにしましょう」
【まとめ】ココがスゴイ、千切りキャベツ!
●時短調理になる!
自分でせん切りをするのは結構な手間。封を開けたら、すぐに調理できるので、忙しい日でもあっという間に1品が作れる。
●1袋でたっぷり!
1袋に入っているキャベツの量は、おおよそ1/8~1/6玉くらい。1食分としてはたっぷり入っているので野菜不足の解消に。
●安定した値段と品質
コンビニやスーパーなど、どこで買っても同じような分量で価格も100円前後。キャベツの質で、当たりはずれといった心配はなし。
●フードロスの防止に
1袋150g前後で、1回で食べ切れるジャストな量。1玉買うと使い切れないこともあるが、これならムダが出ることもなし。
《PROFILE》
吉野愛 ◎江上料理学院講師、管理栄養士、食育インストラクター。健康メニューなどの大手企業の商品・レシピ開発に携わるほか、テレビ番組監修など多岐にわたり活躍中。
(取材・文/樫野早苗)