母に甘かった父と違って、私はスパルタ
父が亡くなって、この2年でもう何回引っ越ししただろう(笑)。家族がそれぞれに自立するのが最善だと思っていたから、物件を探して、日用品をそろえて……。余計な苦労もしたけれど、回り道して初めて、大切なものが見えた気がしています。だから、これまでのバタバタも決して無駄だったとは思っていません。
生活のことはすべて父に任せきりだった母も、この2年でずいぶんたくましくなりました。母に対して甘かった父と違って、私はスパルタ(笑)。いまでも、ワンちゃんのごはんを間違えたり、白い衣類と色柄ものを一緒に洗ったりして、わたしに怒られることはしょっちゅうだけど、ボケさせないためにあえて、母にも家の仕事をしてもらっています。
父が遺したものを守りながら、母を支え、すべてひとりの力でやっていかなければならないことは思った以上に大変。でも、だからこそ「生きている!」という実感が湧いてくるんです。
いまは自分という人間に向き合うのに精いっぱいで、相変わらず恋人もいません(笑)。けれど、父のレシピノートを形にするうえで、食を通じて多くの素晴らしい方々との出会いがありました。最近は農家さんと畑づくりの相談をすることもあり、とても充実した日々を送っています。真鶴に住むにあたって、地方を元気にしたいという思いも芽生え、挑戦してみたいことが次々と生まれてきます。
家族を守ってくれた父がいなくなり、ひとりになったここからが、私の人生の本当のスタートライン。そう感じています。
(取材・文/植木淳子)
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