【5】市販の酵素飲料やスムージーをたくさん飲む!はNG

 野菜が多く使われているスムージーや酵素飲料が、コンビニなどで手軽に手に入る。おしゃれなボトルに書いてある「野菜〇個分!」といった売り文句を見ると、いかにも身体によさそうな気が。

「野菜やフルーツが細かく粉砕されて消化しやすくなっていたり、手軽にとれるので、飲むこと自体はいいこと。でも、かなりの糖分や甘味料が加えられていることにも注意してほしいんです」

 温かい飲み物と比べて冷たいドリンクは甘みを感じにくい。そのため冷たくても甘く感じる飲み物には多くの糖分や甘味料が加えられている。それらは悪玉菌を増やして腸内環境を悪化させるため、『腸活』的にはNG。

 また、手軽に飲めるため、実際に野菜をとることが面倒になるデメリットも。

「あくまでも補完的に飲むのにとどめるのがポイント。3食を加工食品や外食にすると、腸内の善玉菌は急激に減るといわれています。便利な加工食品に頼りすぎず、できるだけ素材に近い食品をバランスよく食べましょう」

イラスト/幸内あけみ

【6】毎朝、無理にでも排便しようと頑張る!はNG

 腸に排泄(はいせつ)物をため込まないようにと朝の排便にこだわる人は多い。たしかに朝出るならそのほうがいいが、冬の朝の無理な排便は危険が伴う。

 血圧は気温の変化に左右されるため、寒い冬は血圧が上がりやすい。また、朝、暖かい布団から寒いトイレに行くだけでも血圧が急上昇。命を落としたり、寝たきりになりやすい脳出血などのリスクがある。さらに無理に出そうといきむと、血管が収縮して血圧が上がるのでより危険だ。

「無理にではなく、自然に排便できるようにすること。起き抜けにコップ1杯の常温の水を飲むとやさしく刺激されて効果的です。朝食は抜かず、ビタミン、ミネラルやフルーツなどを中心に、軽くとるのがおすすめ」

 また、前日寝る3時間前に夕食をすませれば、寝ている間に蠕動運動が起き、朝、便が出やすくなるそう。

【7】自分なりに“腸もみ”にはげむ!はNG

 腸をマッサージするのは効果的だが、決して強くやる必要はない。便秘がひどいと、強くやるほど効果が出そうな気がするが実はその逆だ。

「強い刺激は腹部を緊張させ、腸がきゅっと縮み上がったような状態になります。それでは腸はなかなか動いてくれません。

 腸が動き出すのは、心身ともにリラックスした状態。あおむけに横たわり、手のひらを下腹部に当てて温めるだけでも十分効果があります」

 力で便を押し出すのではなく、やさしくマッサージすることで腸の蠕動運動を活発にして、自然な排便を促すのが腸もみの本来の目的だ。

イラスト/幸内あけみ

【8】定期的に腸内洗浄している!はNG

 腸内をきれいにするため、エステや自分で腸内洗浄をやっている人もいる。洗浄液などで腸内を洗い流すのがおもな手法で、いかにも効果がありそうだが、

「過激な方法で、腸へのストレスはかなりのもの。洗浄時には、同時に腸によい菌まで流してしまうリスクもあります」

 という。施術後の食生活で腸によい菌が定着しなかった場合、むしろ一気に腸内環境が悪化しかねない。また、腸内に炎症や病変があった場合は、悪化する危険性も。

もともとは、病院が必要に応じて緊急措置としてやる医療行為。腸内を傷つける危険性もありますので、少なくとも自分では絶対にやらないで」

イラスト/幸内あけみ