駄菓子店での思い出を紹介

 では、そんなアンケート回答者の駄菓子店での思い出を紹介しよう。(以下、カッコ内は思い出の駄菓子・年齢・居住地・性別)

 最も多かったのは「お小遣いを握りしめて行った」「いつも何を買おうか迷った」という声だ。ただ、握りしめるお小遣いの額は5銭、10円、100円と時代とともに変化していたのも印象的だった。

「小学校のとき放課後、一度、家に帰ってから友達と遊ぶときに立ち寄った」(うまい棒・48歳・神奈川県・女性)

「50円持っていれば、いろいろなものが買えた」(ベビースターラーメン・59歳・富山県・女性)

「100円で何が買えるか考えるのが楽しかった」(チロルチョコ・46歳・兵庫県・女性)

「お手伝いをして、もらったお小遣いを握りしめて行っていました」(64歳・宮城県・女性)

 店主との交流を語る人も少なくない。

「おばちゃんが優しかった」(57歳・長野県・男性)

「おばちゃんとよく話したり、友達と訪れていました」(ふ菓子・31歳・東京都・男性)

「おばちゃんがかわいかった」(ヨーグルト・38歳・東京都・女性)

 当時の子たちの暮らしが垣間見える回答もあった。

「近所の駄菓子屋さんに友達と行ってテーブルゲームをしていた」(えびせん・51歳・東京都・男性)

「そろばん教室の帰りにお姉ちゃんと行った思い出」(ぬ〜ぼ〜・41歳・青森県・女性)

「甘味がなかなか手に入らない時代、貴重な存在でした」(72歳・佐賀県・男性)

「巡回紙芝居の練りあめが忘れられませんね」(水あめ・78歳・愛知県・男性)

 中には「自宅が駄菓子屋でした」(ふ菓子・74歳・新潟県・男性)も。

 くじであたりを引いたこと、散財して母に怒られたこと、ガキ大将にいじめられたこと……、十人十色の駄菓子店事情が垣間見えた。その思い出は色あせず、おのおのの心の中で生きているのだろう。

(構成・文/当山みどり)