「貧乏暇なし」ということわざがあります。
「貧乏な人は生活に追われているから時間のゆとりがない」と、そんな意味です。
よく、毎日のように会社で残業し、忙しそうにしている人が、「いや~、貧乏暇なしですよ」なんて、自嘲気味に使ったりする言葉です。
でも、それって実は「貧乏だからヒマがないのではなく、ヒマがないから貧乏なのだ」と言ったら、あなたは信じられますか?
これは、「お金を稼げる人の条件は『忙しい人』ではなく、『ヒマな人』である」という話です。
マクドナルドの社長が言われた言葉
「日本マクドナルド」「日本トイザらス」などの創業者として知られる実業家、藤田田(ふじたでん 1926年~2004年)さん。生前は、日本でも指折りの資産家……つまり、お金持ちでした。
その藤田さんの著書に、こんなエピソードがあります。
藤田さんが日本マクドナルド社の社長になって4店舗を開業し、5店舗目の準備に大忙しだったときのこと。
ひとりのユダヤ人が訪ねてきて、藤田さんにこう言ったのです。
「ミスター・フジタ、今、ヒマでしょ」
当然、藤田さんはカチンときて答えます。
「冗談じゃないよ。ヒマなんかない」
「いや、ミスター・フジタ。あなたは確かにヒマなはずだよ」
「ヒマじゃないっ」
イラッとする藤田さん。しかし、相手のユダヤ人は、平然とこう言ったのです。
「へーえ、ヒマじゃないくせに、よくもハンバーガーの店を4店舗もキープして、さらに次の店を出す準備ができるものですね。あなたがそれだけやれるってことは、結局ヒマだからだと思うがね」
その言葉を聞いて、言われてみれば確かにそうだと、グウの音も出なくなる藤田さん。
その藤田さんの様子を見て、ユダヤ人はニヤリとすると、こう続けたのだそうです。
「ミスター・フジタ。ヒマのない人間はお金もうけなんかできません。商人は金を作ろうと思ったら、まずヒマを作らなくてはダメです」