つい、文章が長くなってしまう人がいます。
報告書や提案書を書いても、「文章が長ったらしくてわかりにくい」と不評。メールを送っても、文面の長さゆえ、最後まで読んでもらえない。
ビジネスだけでなく、ブログやメルマガを書いてもしかり……。
本人は悪気があるわけではなく、「読んだ人のわかりやすさを考えて、丁寧に、内容にヌケ・モレがないように」と気を使って書いているのに、逆にそれがアダとなっているのです。
今回は、『夜、眠る前に読むと心が「ほっ」とする50の物語』(三笠書房)や『日曜の夜、明日からまた会社かと思った時に読む40の物語』(祥伝社)など、4~6ページ程度の短い話を集めた本をたくさん書いている私の経験から、すぐにできる「文章を短く、早く書くための8つの解決法」についてお話しします。
文を書く前に決めてしまうべき4つのこと
まず、文を書き始める前に、4つのことを決めましょう。
順番に説明します。
○1:ストーリーの流れを決める
自分は文章がうまいと思っている人は、つい、なにも用意せずにいきなり書き始めてしまうものです。
でも、執筆時間の短縮と、文章がおかしな方向に流れないようにするために、文を書き始める前に、まず、ストーリーの流れを決めてしまいましょう。
ストーリーの流れは、「出だしに何を書くか?」「中盤に何を書くか?」「締めに何を書くか?」などを、簡単に殴り書きして、それを順番に矢印で結ぶだけでオーケー。
これをやるメリットは次の3つ。
◆余計なことを書いたり、話が横道にそれたりするのを防げる
◆書き忘れがなくなる
○2:文章の長さ(文字数)を決める
私の本の多くは、1つの話を4ページでまとめています。これは、長すぎず、短すぎず、さらりと読める長さを考えて、たどりついたページ数です。
文章が長くなってしまうクセがあるのであれば、「はじめから文章の長さを決めてしまう」という手があります。報告書やブログなどは、文字数に制限がないからこそ、自分で「最大でも1500字以内」などと上限を決めて書けばよいのです。
文字数の上限を決めると、最初のうちは苦痛でも、そのうち慣れてきます。ブログなどで、どう考えても決めた文字数で収まらないのであれば、2回にわけるなどして、短さを厳守しましょう。
○3:執筆時間を決める
私はかつて、会社に出社する前に、早朝のカフェでブログを書いてしました。
出社しなければならない時間が、自動的に原稿アップの締め切り時間になっていたわけです。
このように、「ブログは30分で書く」などと、あらかじめ締め切り時間を決めれば、いやでも執筆時間が短くなるし、ダラダラ書いて文章が長くなることも避けられて一石二鳥。
締め切り時間の設定は、ストレスなく書き上げるのに1時間くらいかかっているのなら、45分で書くように決めるなど、少し短く設定すれば、書くのがどんどん速くなります。
○4:伝えたいことをひとつに絞る
書き出す前に「この文章で何を伝えるか」をひとつに絞りましょう。これが明確でないと、テーマがブレてしまって、文が長くなる原因になります。
もちろん、伝えることの説得力を増すために、いくつも例を挙げるのはOK。もし、どうしても「ついでに情報」を入れたいときは、「ちなみに」として、数行に抑えてまとめるようにしましょう。