実は、私たちがつくウソには2種類が存在します。それは、「自分でウソをついていると自覚しているウソ」と、もう1つ、「自覚していないウソ」です。
前者のウソは、誰かを騙(だま)すためのウソ。
後者も誰かを騙すためのウソであることは変わりないのですが、こちらのほうは、ウソを言っている自覚がないために、自分も騙されてしまうことがあるのです。
今回は、そんな「自覚のないウソが、あなたの成長を止めてしまっている」という話。
心の声が無意識に「ウソ」を言ってしまうことがある
子どものころ、買ってもらいたいゲームがあるとき。親に、こんなふうに言った経験はありませんか?
「みんな持っているから買って!」
こういうとき、多くの場合、親を騙してやろうとかいう気持ちはなくて、本人は、ある友だちがそのゲームを持っていることを思い出しながら訴えています。
ですから、ウソを言っているという自覚はありません。友だちがそのゲームを持っているのは事実だし、自分はそれがすごくうらやましいのです。
しかしそこで、親からこう聞かれたらどうでしょう?
「本当に、みんながそのゲームを持っているの? 誰と誰が持っているか名前を教えてくれる?」
そう聞かれて、そのゲームを持っている友だちは誰だっけと考えてみると、自分が仲のよい、たった2人が持っているだけだった……。
これが「自分で自覚していないウソ」です。
厄介なのは、このウソは、自分の思い込みによって、心の声が無意識に「ウソ」を言ってしまっているという点。そして、そのウソを自分も信じてしまうことがあるという点です。