2000年のアルバム曲「欲望のレイン」が後輩に歌い継がれることでランクイン
まず2012年を見ると、同年発売での最高位は30位の「変わったかたちの石」。以前なら、1月発売のシングルであれば大抵はその年のカラオケ人気曲T
その反動なのか、9位の「青の時代」、10位の「雨のMelody」、23位の「欲望のレイン」と、2000年までの初期作品が大きく上昇している。特に、23位の「欲望のレイン」は2000年のアルバム『D album』収録のアップテンポなナンバーだが、その後、山下智久&生田斗真コンビなど、代々ジャニーズJr.たちに歌い継がれていることでランクイン。
ジャニーズには、ほかにも少年隊「星屑のスパンコール」(アルバム『翔 SHONENTAI』収録)、近藤真彦「アンダルシアに憧れて」(シングル、オリコン最高9位)など、後輩たちに歌い継がれていることで、当時のオリコン1位シングル曲よりも有名になっている曲が少なくない。しかも、この「欲望のレイン」も「硝子の少年」や「雨のMelody」が好きな人ならハマりそうな同系列の、雨の日の失恋ソング。むしろ、 “安パイ”に思われてしまうのを避けるため、
同じCDに収録の「恋は匂へと散りぬるを」「まだ涙にならない悲しみが」が健闘
2013年も、TOP10の中では2004年の「Anniversary」が最新曲となるほど初期の数年間に出た名曲が固まっているが、20位台では、「恋涙」「シンデレラ・クリスマス」「Kissからはじまるミステリー」「恋は匂へと散りぬるを」と、アルバム収録曲やシングルの両A面曲(CD2曲目収録)の上昇が目立つ。特に「シンデレラ・クリスマス」と「Kissからはじまるミステリー」はともに作詩:松本隆×作曲:山下達郎コンビによる作品で、やはりふたりともこうして10年以上歌い継がれる曲を目指していたことが実証されている。
「恋は匂へと散りぬるを」は、雨と失恋をモチーフにしたマイナー調のアッパー・チューン。2000年代からコンサートのバンドマスターを務める吉田建が作詩・作曲・編曲を手がけたからこそ、彼らの得意とする路線を踏襲しつつ、ソロギターが鳴り響くなど生演奏の魅力を盛り込んでいるのもうまい。
2014年は、前年34位だった「まだ涙にならない悲しみが」が急上昇。出足は、そのカップリング曲だった「恋は匂へと散りぬるを」が先行したが、テレビの歌唱やVTRで紹介されることが多いことで「まだ涙にならない悲しみが」がより伸びたようだ。こちらは、作詩:松井五郎×作曲:織田哲郎×編曲:亀田誠治による流麗なポップス。失恋ソングながら颯爽とした雰囲気があり、これも新たなKinKi Kidsワールドを形成したと言える。