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ドラマ・映画・舞台

小池徹平、20代半ばで目標を見失いもがき続ける日々を過ごすも宮本亞門の作品で見つけた「最高の着地点」

SNSでの感想
小池徹平さん。大きな瞳の奥に情熱が感じられる 撮影/矢島泰輔
目次
  • 城田優らとともに「春馬に“俺も出たかったな”と思わせる舞台を作りたい」
  • 将来の目標を見失ったとき、宮本亞門のミュージカルと出会い日々が激変
  • 最高の仲間たちと「新たな道を切り拓いていきたい」と気合い十分!

 大人気のブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』で、'16年の初演、'19年の再演に続いて3度目の主演を務める、俳優・小池徹平さん

 インタビュー第1弾では、出演を決めるまでの葛藤や、前回まで、ともに主演した三浦春馬さん、今回から三浦さんが演じた役を引き継ぐ城田優さんへの熱い気持ちを語っていただきました(記事→小池徹平、『キンキーブーツ』3度目主演は「深く悩みました」それでも踏み出した理由と旧友・城田優への“思い”)。第2弾では、お芝居の世界にのめり込んだきっかけや、今回の舞台にかける意気込みをお聞きします!

◇   ◇   ◇

城田優らとともに「春馬に“俺も出たかったな”と思わせる舞台を作りたい」

『キンキーブーツ』で僕が演じる主人公・チャーリーは、倒産しかけているイギリスの靴工場「プライス&サン」のオーナーです。ロンドンで出会い、最初は仲たがいしていたドラァグクイーンのローラから、紳士用フォーマル靴の製造をやめてドラァグクイーン用のセクシーなブーツの製造へ移行するアイデアを得て、ふたりで協力し合いながら靴工場を再建していきます。

 チャーリーは保守的な人間ですが、温かい心の持ち主で人情家。ただ、自分の胸の内ときちんと向き合ったことがない、子どもっぽい人間です。窮地に立たされたとき、ローラに出会ったことによって新しい打開策を見つけ、どんどん刺激を受けて変わっていく。意見の違う相手を受け入れることで、人間として成長していく姿が魅力的です。もちろん、目立つ役はローラなのですが、この作品の主軸、ストーリーを進めていく上で欠かせない役がチャーリーという人物なので、屋台骨でもあります

 役作りは前回までと変えるつもりはありませんが、春馬(三浦春馬さん)に代わって今回からローラ役を務める(城田)優の出方しだいで、自分の表現方法がどんなふうに変わっていくかは予測がつかないです。圧倒的な存在感でキラキラしている、そんなローラを演じてくれるのは確かですが、優の作るローラがどんな方向性でくるのか、今から楽しみで仕方ないですね。

「優の“全力”に真正面から応えたいです!」と意気込む 撮影/矢島泰輔

 これまでに再演の経験はあるのですが、 同じ作品で3回目の上演を迎えるのは初めてになります。過去2回演じてみて、自分の中でチャーリーという人物像がきちんと消化されてきたと感じてはいますが、改めて台本を読むと、印象が変わった部分もあります。

『キンキーブーツ』は、ブロードウェイをはじめ、世界中で何度も上演されている人気作品ですから、すでに完成された舞台です。世界共通の脚本があり、役者が同じ動きをする。それを受け入れながらも、自分だけの表現方法を探っていかなければなりません。

「こういう動きをしたら面白そうだな」「言い方を変えたらウケるかな」

 と思いつくまま、さまざまな表現を自分の中で昇華させながらクオリティーの高いものを作っていく過程は、役者として、いちばんやりがいのある作業かもしれません

 それから、3度目となると、やはりお客さまからの期待値も上がっていると思います。コロナ禍でお客さまが感情をなかなか表に出せないという状況でもあるので、今までやってきた舞台とは、客席のテンションも異なるものになるでしょう。

 初演、2回目の再演でローラ役を演じた春馬が不在となり、それでも「やっぱり最高のチームだね」と評価されなければならない。そうでないと春馬も納得しないだろうし、春馬に「いいなぁ、俺も出たかったな」と思わせるぐらいのものを作らなければならないそうなるように、主演3回目の僕が引っ張っていかなければなりません。

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