最高の仲間たちと「新たな道を切り拓いていきたい」と気合い十分!

 今回の『キンキーブーツ』は初演時、2回目の再演時にも共演したメンバーがほとんどです。3回目を上演するにあたってどんなことを伝えたいか、演者それぞれ思いは違うかもしれませんが、顔合わせで集まって初めて意見をぶつけ合ったときに、みんなの思いを聞いて「なんて温かくて、家族みたいな仲間なんだろう」と感激しました

 春馬がいない中で、また上演していいものだろうか。できるのだろうか。 3回目の上演をするうえで、たくさん葛藤はあったけれど、やっぱり「その一歩を踏み出してよかった」。みんなでその思いをシェアできたことがうれしかったですね。どこかでくすぶっていた火が、ジワジワと暖かくなっていったような感覚でした。一気に燃えるというより、ジワジワとなんです。

 それに、僕たちのそばには、みんなをまとめ、包み込んでくれる日本版演出協力の岸谷五朗さんも寄り添ってくれている。今は『キンキーブーツ』のストーリーそのままに、自分たちでさまざまな問題を解決しながら、新たな道を切り拓いていきたいと思っています。

 このミュージカルが大ヒットした理由のひとつに、シンディ・ローパーの楽曲のよさがあるのですが、ポップ、ファンク、タンゴ風など幅広く、自分にとってはすべてが名曲です。ミュージカルは、歌詞が台詞としてしっかり観客に伝わることが何より大切。歌唱指導の方には、「優との声の相性が最高だね」と言われているので、唯一無二のハーモニーを奏でられることを今から待ち望んでいるところです!

 舞台で味わう臨場感は、やはり最高です。将来的には、古田新太さん率いる『劇団☆新感線』の疾走感ある舞台に出てみたい。それから、ミュージカル好きで劇団『大人計画』主宰の松尾スズキさんが作品を作ることがあれば、ぜひまたご一緒させてもらいたいですね。

今回の『キンキーブーツ』、小池さんのさらなる飛躍に期待! 撮影/矢島泰輔

(取材・文/Miki D'Angelo Yamashita )


【PROFILE】 
小池徹平(こいけ・てっぺい) ◎1986年、大阪府生まれ。'01年に『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞し芸能界入り。俳優デビュー後、ウエンツ瑛士と音楽ユニット『WaT』を結成し、'16年まで活動。音楽活動のほかにも、ドラマ・映画と幅広く活躍するなか、'13年に宮本亞門演出の舞台『メリリー・ウィー・ロール・アロング 』でミュージカル初出演。'16年には『1789-バスティーユの恋人たち-』『キンキーブーツ』での演技が評価され、菊田一夫演劇賞を受賞。'22年後半は『キンキーブーツ』3度目の主演や、『科捜研の女 2022』(テレビ朝日系)への出演が決まっている。

【舞台情報】

ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン/音楽・作詞:シンディ・ローパー
演出・振付:ジェリー・ミッチェル/日本版演出協力・上演台本:岸谷五朗/訳詞:森 雪之丞
出演:小池徹平、城田 優、ソニン、玉置成実、勝矢、ひのあらた 他

◎東京公演
2022年10月 1 日(土)~11月 3 日(木・祝)@ 東急シアターオーブ
大阪公演
2022年11月10日(木)~11月20日(日) @オリックス劇場

※公演詳細やチケット情報は公式サイトにて→http://www.kinkyboots.jp/