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「1日1フム」生活。- フムフムニュース -

コロナ禍になって遠出する機会が減りましたが、身近な周りを見渡してみるとこれまで見落としていた楽しみや、見知らぬスポットもまだまだあるはず……。そんな半径3キロで見つかる日常生活の中の幸せにスポットを当てていきます。

半径3キロ以内の幸せの見つけ方

「パンは1点もののアートです」パンをこよなく愛す池田浩明さんイチオシの“街のパン屋さん”と“国産小麦の魅力”

SNSでの感想
ブレッドギーク(パンおたく)でパンの研究所『パンラボ』所長の池田浩明さん 撮影/山田智絵
目次
  • 国産小麦は産地ならではの味を持っている
  • 日常で利用したい『ケノヒノパン』
  • 天然酵母のおいしさを感じられる『タルイベーカリー』
  • コロナ禍でパン屋さんに起きた変化
  • スーパーでもおいしいパンは見つけられる

 これまで見落としていた楽しみや、見知らぬスポットを注目する「半径3キロ以内の幸せの見つけ方」シリーズですが、今回の幸せスポットは、どこの街にも必ずあるパン屋さん。

 パンを愛し、パンの研究所『パンラボ』を主宰する池田浩明さんのインタビュー第1弾では、おいしいパンの食べ方やお店の見つけ方をお聞きしましたが、第2弾ではおすすめのお店とパンを紹介していただきます!

【第1弾:“パンおたく”の池田浩明さんが教える「週に2日しか営業しないパン屋の秘密」「自宅でパンをおいしく食べる方法」

国産小麦は産地ならではの味を持っている

──今回、ご紹介する池田さんおすすめのお店のパンは、どれも手が込んでいておいしそうですね。焼きあがる時間に合わせて購入してきました。

パンって手で成形していくんですけど、そういう食べ物って意外とないんです。1個1個作らなきゃならないし、まとめて作れないから大量生産できない。どうしても値段も割高になってしまうっていうのはありますね。だから僕は“パンは1点もののアート”って言っているんですけど」

──確かに、チェーン店よりも個人店は少し割高な気がします。

「値段や味の違いに表れるいちばん基本的な要素は、使っている小麦が国産か海外産かどうか。国産小麦だと、海外産よりも価格が1.5倍から2倍くらいしちゃうんです。一般的に売られている大手メーカーの小麦は、アメリカやカナダから大量に輸入して、大きな工場で速いスピードで作られるので、品質はすごく安定していてぶれがない。国産小麦は日本各地の畑で作られるので、できあがりにぶれがあって採れる量も少ないので、値段が高くなっちゃうんです。でも国産小麦はその畑、その土地ならではの個性的な味を持っているのが魅力です

日常で利用したい『ケノヒノパン』

(写真上から時計回りに)「ケノヒノパン」のカンパーニュ種、ねじレーズン、チョコパン 撮影/山田智絵

──東京都中野区にある『ケノヒノパン』からは、「カンパーニュ種(たね)」「チョコパン」「ねじレーズン」の3点です。購入した際に店主の鈴木崇志さんとお話したのですが、あえて駅から離れた住宅街の立地にしたとおっしゃっていました。地元の方に利用してもらえるようにという思いを込められたそうで。

「今回の“街のパン屋さん”というテーマにぴったりのお店だと思って『ケノヒノパン』を選びました。こちらはご夫婦でお店を営まれていて、今年4月にオープンしたばかりなのですが、僕の中では“期待のニュースター”。“ケノヒ”っていうのは、日常という意味です。『ケノヒノパン』のような国産小麦を使ったハード系のパンは、作れる量は少ないけれど、砂糖や油を使わないぶん身体にもいいし、味わいがあるんですよね。おいしいパンがあれば自分で料理してみようという気持ちになったりしますし、そういうパンへの思いが広がっていってもらえたらいいなと」

ねじレーズン 1/3(300円・税込) 撮影/山田智絵

──「ねじレーズン」は硬そうな見た目に反して、柔らかい食感でおいしいです。

『ねじレーズン』もそうなのですが、今、“高加水パン”がすごく流行しているんです。パンの水分って小麦粉に対して水が何%入っているかっていう割合があるのですが、普通が70%だとしたら、高加水パンは80、90、100%とか高い割合で入っている。水分が多いぶん、成形が難しいんです。僕は高加水パンを“やわハード”って呼んでいます。ハード系なのに食感が柔らかいタイプが増えてきているので、ハード系のパンが苦手な方には、やわハードをおすすめしますね

カンパーニュ種(660円・税込) 撮影/山田智絵

──こちらの「カンパーニュ種」はどのような特徴がありますか?

僕は『ケノヒノパン』のカンパーニュがお気に入りなんですが、こういう手の込んだパンが広まってくれたらいいなって思っています。『なつみ農園』(長野県上田市)の在来種の黒小麦をブレンドしているのですが、モンゴル原産の野生種とのことです」

──パンの原材料にもこだわりがあるのですね。

「この『カンパーニュ種』は、ルヴァン種という発酵種を使っているんですが、これは小麦粉と水を混ぜていくと勝手に発酵する。だから、このパンは実質、小麦と水と塩だけで作られたシンプルなパンなんですね。乳や卵アレルギーがある方でも食べられます」

──黒小麦が使われているので、袋から出した時にふわっといいにおいが漂ってきました。

「ルヴァン種の香りとすごくマッチしていますよね。カンパーニュは食パンと同じようにスライスして、バターやはちみつなどを塗って食べてみてください。サラダにもよく合います。カンパーニュのメリットは、日持ちがすること。冬だと1週間ぐらい持ちます。例えば、なかなか行けないちょっと遠くのおいしいパン屋さんで日持ちするパンを買っておけば、1週間ぐらいずっと“あのパン屋さんに行ったな……”って余韻を楽しめるんです

──なるほど。すぐ食べたり冷凍したりという食べ方しか思い浮かばなかったので、日持ちするという観点もあるのですね。

初日はまだ柔らかいので、そのまま食べてもいい。でも3日、4日たって硬くなってきたら、トーストしてみる。そういう楽しみ方もあるんです。ハード系は硬くて苦手という方は、薄くスライスするのがポイントです」

──「カンパーニュ種」はお酒にも合いそうな、深みのある味ですね。

ワインだけじゃなくて、ビールにも合う。このパンだけでずっと飲めますね(笑)。国産小麦のパンは、意外と日本酒とも合うんですよ。塩気があるパンや、ハード系のパンはお酒におすすめです。丁寧に作られているパンって、後味が持続するんですよ。後味が続いている中で飲むと、さらにおいしさが広がります」

チョコパン(100円・税込) 撮影/山田智絵

──「チョコパン」はチョコの甘みが口の中に広がって、幸せな気持ちになります。

チョコパンはこのお店のいちばんの人気商品で、お子さんにもおすすめです。街のパン屋さんではお子さんが一人でおつかいに来る風景も見られますが、そういうきっかけになるパンだと思います」

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