相談者に無理強いしない、ゆる〜いお悩み相談が3人の魅力

──共演された基俊介さん・落合モトキさんの、俳優としての魅力はどんなところにあると思いますか?

 お二人から学んだこと、たくさんありました。まず基さんは「対応力」がとっても高い方ですよね。演出を受けたあとの豹変(ひょうへん)ぶりがすごかったです。それから現場での変更にも慣れていらっしゃる感じがしました。とにかく臨機応変で。

 落合さんは芸歴が長いですし、テレビで拝見していた俳優さんなので、一緒にこうやって撮影しながら間近で演技を見ることができて圧倒されました。最初の本読みから、すでに上原先輩だったんですよ。監督さんも「上原先輩はそういう感じだね」って早々にGOサインを出していらっしゃいました。

──中村氏、下田くん、上原先輩のゆるい掛け合いがこのドラマにおける最大の魅力だと思いました。仲良しの幼なじみ3人組に見える雰囲気を、御三方やスタッフ間でどのようにつくっていかれたのでしょうか?

 劇中の年齢設定だと中村氏は真ん中なんですが、現実世界では基さん・落合さんは私よりお兄ちゃんでキャスト3人の中では私が最年少だったんですね。加えて人見知りを発揮してしまって。でもお二人ともいろいろ察知してくださったのか、優しく楽しく接してくださいました。そのおかげで2〜3回目で徐々に打ち解けることができて。本読みとリハーサルの期間があったおかげで、だんだんと仲睦まじい幼なじみになっていけたような気がします。

佐々木美玲さん 撮影/山田智絵

──ドラマに登場する相談者のように、撮影現場において基さん・落合さんの言動からヒントを得て佐々木さんのモヤモヤがすっきりした経験があればエピソードを教えてください。

 セリフはあるけどト書きがなく「どうやって動いたらいいんだろう?」って戸惑う場面や、掛け合いがテンポよく弾まないとき、お二人が自然と「本読みに戻って確認してみよう」とリードしてくださることがありました。その積み重ねなのか、あうんの呼吸じゃないですけど……演じながら「このシーン、3人だったら顔を見合わせそうだな」って私が感じた瞬間に、タイミングよく視線を合わせてくださって。アドリブや自分以外の人物がセリフを言っているときの動きも、アイデアを自由に形にできる空間がありがたかったですね。

──台本を拝読して、固定観念をゆる〜く覆していく3人のお悩み解決ぶりが本作の見どころでもあると思いました。中村氏・下田くん・上原先輩の何気ない発言がきっかけに、お悩みが解決に向けて加速していく印象を受けたのですが、相談者の心を動かし実際の行動に移させる3人の魅力を、佐々木さんはどのように感じていらっしゃいますか?

 結果的に相談者のお悩み解決に貢献していますが、私はあの3人のゆる〜い掛け合いが「相談者を無理に動かそうとしていないところがすてきだな」って思うんです。何より、おバカだから憎めない。見ていると「自由だな」ってうらやましくなります。

 お仕事していると言動をセーブしたりするじゃないですか。でも『ぴーすおぶけーき』の下田くん・中村氏・上原先輩を見ていたら、そういう抑圧みたいなものをきっと忘れられるんじゃないかな。ドラマはひと息ついた深夜に「あ、こういう空気とってもいいな」とホッとしながらご覧いただける作品だと思います。

(取材・文/岡山朋代、編集/福アニー、スタイリスト/御手洗優、ヘアメイク/箕輪亜希乃、高木美都子)

【Information】
●『ぴーすおぶけーき』
★ドラマ放送・配信情報
放送:2022年10月25日(火)より毎週火曜深夜25時29分~25時59分(関東ローカル)
配信:Hulu、TVer ※毎話放送後配信開始

★舞台情報
会期:2023年1月20日(金)~1月29日(日)
会場:天王洲 銀河劇場

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