活動継続のため、“バンド貯金”を始める
──バンド活動の費用はマエカワさんが管理されていたんですよね。
「レコード会社からはあと6か月で契約を終了するって言われたから、7か月目からは生活費が絶対必要だと思って、ライブでの収益などを貯めていました。1万円ずつ減っていった給料の最後の額が15万円だったので、毎月15万円×4人分を貯金から引き出して渡して。それで1年か2年ぐらいやっていたのかな」
──でも信頼がないとお金まわりは任せられないと思いますよ。
「僕も3人を信頼しているのと、僕が4人の中でいちばんお金に執着しているって思われているので(笑)。もともとお金は好きだし、金銭感覚がセコい人間でもあるから。だからズルをしないってわかっていると思うんです」
──フラカンは同級生同士のメンバーですが、マエカワさんはリーダー感ありますよね。
「こういう顔なので(笑)。顔年齢がね、老けているんです」
──(笑)。メンバー内で話し合うことは多いのですか?
「メンバー同士で話し合うことはほぼないですね。よっぽど大きい決め事がある時に“こういうふうだからね”っていう話はするけど。それこそ年1回、決算の時に話すくらい。それ以外だと話すことは最近なくなったかなあ(笑)」
──バンドを法人化したのは理由があったのですか?
「最初は会社組織ではなかったので、清算する時も個人の名前でやっていたんです。通帳も2つあって、1つは自分の通帳で、もう1つも僕の名義でバンド資金の通帳にしていました。2008年に、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズと改めて契約するときに、個人とは契約できないって言われて。事務所が法人じゃないと契約できなかったので、会社にすればいいって流れになったんです」
──そこから株式会社フラワーカンパニーズが誕生したのですね。
「自分たちで活動をしていて不自由は感じていなかったんですけど、今のままでは、どうしても宣伝が圧倒的に足りないからファンが増えにくいと感じていて。再メジャーになったアルバム『たましいによろしく』(2008年発売)は前のアルバムから2年4か月たっていたんだけれど、その間もずっと一緒にやってくれる人を探していました。最初にデビューしたアンティノスレコードでお世話になって信頼していた人がアソシエイテッドレコーズにいたこともあり、話を聞いたら面白そうだったので、またメジャーでやろうかなって思えたんです」
◇ ◇ ◇
第2弾では、2004年に発表され、今も新たなファンを獲得している代表曲『深夜高速』の誕生エピソードなどについてお聞きします。
【第2弾記事:フラワーカンパニーズの名曲『深夜高速』をグレートマエカワさんが語る「最初は歌詞を聴くのがつらかった」】
(取材・文/池守りぜね)
〈PROFILE〉
グレートマエカワ
1969年9月27日生まれ、愛知県出身。1989年、同級生の鈴木圭介(ボーカル)、竹安堅一(ギター)、ミスター小西(ドラム)とともにフラワーカンパニーズを結成する。1995年に1stアルバム『フラカンのフェイクでいこう』でメジャー・デビュー。2001年にメジャーを離れてTRASH RECORDSを立ち上げ、“自らライヴを届けに行くこと”をモットーに活動、ワゴン車1台で全国を回り、年間100本を超えるライヴ活動を展開。2008年にはメジャー復活を遂げ、2015年に開催した初の日本武道館公演はソールドアウトし、大成功を収める。2017年に再びメジャーを離れ、自らのレーベル「チキン・スキン・レコード」を設立し活動している。2022年4月23日、“メンバー・チェンジ&活動休止一切なし”で4人そろって結成33周年を迎えた。
☆フラワーカンパニーズ 全国ツアー『いつだってネイキッド’22/’23』全33公演開催!
◎フラワーカンパニーズ・ワンマンツアー『いつだってネイキッド’22/’23』
2022年
11月5日(土)茨城@水戸ライトハウス
11月6日(日)栃木@HEAVEN'S ROCK 宇都宮
11月17日(木)大阪@堺Live Bar FANDANGO
11月19日(土)広島@Live space Reed
11月20日(日)香川@高松DIME
11月27日(日)北海道@札幌PLANT
12月3日(土)神奈川@横浜F.A.D
12月9日(金)京都@磔磔
12月10日(土)京都@磔磔
※2023年のツアー情報は公式サイトのライブスケジュールページでご確認ください
【全公演共通】
チケット料金:前売4400円(税込/整理番号付/ドリンク代別)
チケット発売日:2022年公演は発売中、2023年公演は12月4日(日)10:00