ラ・ムーからはアルバム曲が上位ランクイン! リミックスも登場し再注目に期待
さらに、11位以下には第12位と第16位にラ・ムーの楽曲も! 上位には、当時のブラック・コンテンポラリーの王道とも言える演奏や女性コーラスがクールに響く「Rainy Nigth Lady」と、浮気をされた女性が自ら別れを告げるという歌詞を軽快なサウンドに乗せた「夏と秋のGood-Luck」がランクイン。いずれもアルバム『Thanks Giving』のオリジナル曲で、シングル表題曲ではないのもポイントだ。
当時は、FM情報誌などで「アイドル歌手がバンドなんて!」と批判的な風潮も強かったが、今そのような先入観を払しょくして聴いてみると、サウンドはカッコいいし、桃子の声も聴きやすいし、唯一無二のバンドだったことがわかる。本人は、林哲司サウンドから離れてロックバンドへ転身したことを、どう受け止めていたのだろうか。
「デビュー当時から同じプロデューサーやスタッフの方々と一緒にやってきたので、私の中では新しいことをするときも、“彼らを信じていれば間違いない”という気持ちしかありませんでした。また、当時はSNSがないこともあって、マイナス評価のコメントは私には届いていなかったですね。
それと、林哲司先生とは決して関係がこじれたわけではありませんし、また別のステップでご一緒できると思っていたので、戸惑いはありませんでした。何より当時、とても忙しい林先生を見ていたので……」
そして'22年の10月には、ラ・ムーの名曲「青山Killer物語」と「少年は天使を殺す」もNight Tempo Showa Groove Mixとして登場。「青山~」はラ・ムーのラスト・シングルながら、4枚のシングルの中ではもっとも再生されている人気曲だ。オリジナルでは桃子の歌声もメロディーも素直に耳に入ってくるが、このリミックス音源では、ほどよくダンサブルに変身している。他方、「少年は~」のほうは、歌詞のループやスキップなど、大胆な編集がなされている。
「ラ・ムーが語られるとき、大抵はデビュー作の『愛は心の仕事です』になるのですが、Night Tempoさんがあえてそれを使わないことが面白いなと思いました。今回のリリースで、特に『青山Killer物語』が再評価されたら、うれしいですね」
桃子の話を聞いていると、作家やスタッフなど仲間を信じたうえで、自分の力量を発揮しようと努力していたことが随所に表れている。そうした信頼関係も、時代や国境を越えた楽曲のヒットにつながっているのかもしれない。続くインタビュー第3回は、Spotifyでの人気曲全般についてや、'22年の新作アルバム『Shadow』の収録曲についてもじっくりお話してもらう。
(取材・文/人と音楽をつなげたい音楽マーケッター・臼井孝)
【PROFILE】
菊池桃子(きくち・ももこ) ◎1968年5月4日生まれ、東京都出身。B型。'84年に映画『パンツの穴』でデビューし、同年「青春のいじわる」で歌手デビュー。当時のキャッチフレーズは「It's Real Fresh 1000%」。爽やかで透明感のあるアイドルとして人気を博した。'12年3月、法政大学大学院政策創造専攻修士課程修了。その後、母校の戸板女子短期大学にてキャリア形成論等の講義を担当。現在は女優・歌手活動のほか、CM・ラジオ・講演など多方面で活躍中。'22年7月には、シングル楽曲の“陰”に隠れた名曲を最新リマスタリングし、林哲司が新曲2曲をプロデュースしたアルバム『Shadow』をリリースした。
林哲司 SONG FILE with Special Guest 菊池桃子 -Live “Again”-
◎2022/11/30(水)@ビルボードライブ横浜
1stステージ 開場16:30 開演17:30/2ndステージ 開場19:30 開演20:30
◎2022/12/3(土)@ビルボードライブ大阪
1stステージ 開場15:30 開演16:30 / 2ndステージ 開場18:30 開演19:30
※公演詳細、チケット情報は以下URLをチェック!
・横浜公演→http://www.billboard-live.com/
・大阪公演→http://www.billboard-live.com/
『渋谷のザ・ベストテン』#菊池桃子&#ラ・ムー 限定ベストテン企画
◎『渋谷のラジオ』水曜・12時〜の10/26&11/2放送分にてランキング発表!
◎対象:菊池桃子&ラ・ムー名義でリリースされたCDまたは配信楽曲(「渋谷で5時」「恋のフライトタイム」は除く)