「悪女」や「せんせい」などカバー曲も上位に。実はカバーの名手だった!

 そして第2位には、中島みゆきのカバーである「悪女」。オリジナルの中島のバージョンがSpotify未配信ということもあるが、それでも数ある「悪女」のカバーの中から、畑中のものだけが100万回近い再生回数となるのは、それだけ定評があるからだろう。

「私の主治医の先生が、“畑中さん、『悪女』歌ってるんですよね? Spotifyで聴きました”っておっしゃっていて驚きました。中島みゆきさんは、胸に入ってくる独特な歌いまわしをされるのに対し、私はわりとサラッと歌っているのが聴きやすくなっているのかも。累計80万回超なんて、大変うれしいです!」

 収録されているアルバム『強行突破』は、「悪女」のほかにも「すずめ」「キッスは目にして!」「セーラー服と機関銃」「愛の終りに」など'81〜'82年のヒット曲がセレクトされているが、このうち「すずめ」(増田けい子)、「キッスは目にして!」(ザ・ヴィーナス)がTOP20入りしている。TOP20全体を見ると12曲がカバー。畑中は、カバー曲の名手でもあったのだ。

「すべて女性の楽曲を歌っていますが、選曲したのは私ではなくディレクターです。デビュー前に通っていた歌謡教室では、『時の過ぎゆくままに』(沢田研二)など男性キーの楽曲も歌っていましたよ。私、沢田研二さんなら、『ス・ト・リ・ッ・パ・ー』とかも大好きなんです。今後、男性曲のカバー集も出してみたいですね

 また、第4位と第8位には「せんせい」(森昌子)と「ぼくの先生はフィーバー」(原田潤)がランクイン。前者は森昌子の明るいイメージから一変し、“せんせい”への切ない恋心を感じさせるし、後者は還暦前に録音したとは思えないほど若くハジけた歌唱が印象的だ。

私と言えば“平尾先生”というイメージがありましたから、『せんせい』をカバーすることになったんだと思います。これは、カラオケのキーが高くて大変でした。そして『ぼくの先生はフィーバー』も、やっぱり“先生”の歌だから選曲しました。これほど人気なのは、もしかするとラジオ番組『燕三条系さとちん電波』の影響もあるかもしれませんね(コミュニティ放送、燕三条エフエム、月~金、9:00~11:00)。

 DJのさとちんさんが、平尾昌晃歌謡教室の後輩で、『後から前から』や『ぼくの先生はフィーバー』『モア・セクシー』など私の曲をたくさんかけてくださるんですよ。リスナーさんも熱い方が多くて、 “CDを買いました!”といったツイートもあってうれしいです。この編曲を担当したShutend(シャッテンド)は、演奏もしてくだったバンド名です。試行錯誤しながらアレンジを作ってくださって、やっぱりミュージシャンっていいなと思いました」

カメラを向けるとさまざまなポーズをとってくださった畑中さん。どの表情もチャーミング! 撮影/山田智絵