大人や世界を巻き込んだリラックマとすみっコぐらし
たれぱんだ以降も、『ぶるぶるどっぐ』、『こげぱん』、『アフロ犬』、『みかんぼうや』など、ヒットキャラクターが誕生した。月に10以上のキャラを生み出していた時期もあり、その背景には毎月デザイナーが新しいキャラクターを考えて提出するという、カンプ(キャラクターの企画を出すときに作る絵)出しがあったそう。そんななか生まれたのが、2003年の『リラックマ』だった。
「作者のコンドウアキさんによると、飼っているチワワのように疲れた自分の面倒を誰かにみてもらいたい……と思ったのがきっかけ。リラックスとかけて、犬ではなくクマになりました。社内からはカラフルにしようという意見もあったそうですが、“絶対に茶色!”とコンドウさんが折れなかったそうです。
翌年にコリラックマが加わり、より世界観が広がるように。5年目に車のCMにリラックマが出演したことで、認知度が一気に上がりましたね」
現在ではNetflixでアニメーションが制作され、世界にも人気が広がっている。
2012年には、サンエックスを代表するもうひとつのキャラクター『すみっコぐらし』が生まれた。誕生のきっかけは社内コンペの投票で人気が集まったこと。作者はまだ新人デザイナーだった、よこみぞゆりさんだった。
「最初から爆発的にヒットしたわけではなく、店頭の商品からファンが増え、徐々に口コミで広がっていきました。デビュー当時のメインはねこ、しろくま、ぺんぎん?、とんかつで、途中からとかげが加わりました。
とかげの登場により、ファンが増加。とかげを主役にした17シリーズ目の『とかげとおかあさん』でさらに人気が高まり、沼った人が多いようです。今ではとかげが特に大人気な印象です。
他にも『喫茶すみっコ』、『すみっコぐらし図鑑』などのシリーズも話題に。現在、すみっコぐらしのキャラクターは60キャラクター以上います」
映画のヒットも記憶に新しいすみっコぐらし。子ども向けに制作されたものの、公開してみると“泣ける”映画として多くの大人が映画館に足を運ぶように。幅広い世代への人気の高さを見せつける結果となった。