じんべえさんの魅力を広げるなかまたち

 じんべえさんの世界を広げ、多くのファンを魅了してきたのが、なかまたちの存在だ。シリーズ第3弾で登場した『まいごのこくじら』には、多くのファンがついた。

元気で甘えんぼうなまいごのこくじらは、じんべえさんの優しさをより強調するようなキャラクターになりました。おかあさんを探していたまいごのこくじらは、みんなが応援したいと思う存在のようで、たくさんの人に気にかけてもらえたのだと思います。

 『さめさん』も非常に人気があります。さめさんの登場は、サメが好きな人たちにじんべえさんを知ってもらうきっかけに。これを機にファンになったという声をいただくこともあります」

 なかまたちの誕生秘話はまだまだある。ネコの形をした『ネコンブ』は、実はタケウチさんが入社して初めて作ったキャラクター。当時は採用されず商品化されることはなかったが、海の生き物ということもあり、じんべえさんの世界にサブキャラとして取りこまれた。

 水族館で王道人気のペンギン。いつかはキャラクターにしたいと思っていたものの、なかなかタイミングが訪れなかった。ペンギンは1羽ではなく集合で何羽かいる姿が可愛いと考え、5周年を機に5匹を『星空のぺんぎん』としてデビューさせたそう。

ファンシーなグッズがいっぱい☆ 撮影/佐藤靖彦

 そして2022年に新しく加わったのが『うみうさぎ』だ。

「以前に担当プランナーと、海にうさぎがいたら可愛いという話をして盛り上がっていました。のちにわかったのですが、実際に『うみうさぎ』という、白いうさぎのような外観の貝が実在していたんです。

 私たちのうみうさぎは空想の生き物で、海と親和性の高い月から降りてくる設定に。見た目もカラフルにして、個性豊かなたくさんのうみうさぎを誕生させました。ぬいぐるみも可愛くできあがり、おかげさまであっという間に売り切れました」

じんべえさん『じんべえさんとうみうさぎ』

 新しいシリーズやキャラクターを考える際は、水族館を訪れることも多いというタケウチさん。お土産売り場を見たり、ネットで動物を見たりすることでアイデアを生み出すそうだ。うみうさぎのように、プランナーと盛り上がりながらできるキャラや設定も多いとか。今後も新しいなかまが増える予定があるそうで、今からどのようなキャラクターが加わるのか期待がふくらむ。