SNSを中心に“同人占い”で評判の、占い師の湊きよひろさん。鑑定を受けた人からは次々とマンガの体験レポートがアップされており、「具体的で参考になる!」「創作活動を続ける自信が持てた」など、大きな反響を呼んでいます。さらに同人誌のクリエイター以外にも、経営者や夜のお店で働く女性など、多彩な職業の方から鑑定依頼が殺到しており、リピートや口コミが絶えないようです。
同人誌を描くクリエイターを鑑定するようになった経緯や、占いへの思いを聞いたほか、同人誌クリエイターや、占い好きのフムフムニュース編集スタッフを、気になるテーマで占ってもらいました。
占い頼みの待ちの姿勢ではいけない。自ら行動を起こすのがカギ
会社員として、服飾雑貨メーカーの商品開発の仕事に就いていた湊さん。転職を決意するも、コロナ禍の影響により、次の仕事がなかなか決まらなかったといいます。その際、会社員のときから副業として行っていた、占い師としての仕事を本格始動させることになります。
──本格的に占い師を始めることになったきっかけを詳しく教えてください。
湊さん「以前から、私自身が同人誌の創作活動をしていたので、占いで2020年から2021年にあたりに人生の転換期が見えていたこともあり、このまま仕事が決まらなければマンガ家になろうと思っていました。ただ、運勢的にも不安定な時期に入っていて、心のケアがうまくできなかったんです。それで、マンガを描き続けることに、心が折れてしまいました。それが“占い師”に本格的に転身したきっかけです」
──プロフィールによると、タロットや占星術など、いろんな占いをされますね。
湊さん「もっぱら西洋占星術です。もともとは手相占いをやっていました。西洋占星術に変えたのは、同人誌作家さんたちが、今後のビジョンを模索する際に、いいアドバイスができないかと思い、わかりやすいキャッチーな占いにしたいと考えたからです。
実際、私自身2013年に商業マンガの創作に進んだ際に、出版社からオファーをいただいたんですが、何を描きたいかがわからなくなり、途方に暮れてしまったことがあったんです。でも、これって商業の世界に入ると、みんなが抱える悩みだと思って、占いでなんとかならないかなと考えたときに、誰もがわかりやすい“西洋占星術”にしようと思いました。
そこから勉強して、西洋占星術×同人誌の占い本も作りました。当時は全然売れなかったですけど(笑)」
──同人誌活動をされている方は、どんな悩みが多いですか?
湊さん「“どんな作風が合うのか”“どうやったら楽しくできるか”や、“どうしたらやる気が出るのか”といった悩みが非常に多いですね。“好きだけど苦しい”という人が一定数いらっしゃるので。創作するコミュニティの人間関係で悩まれる方もいます」
──コロナ禍になって増えた相談はありますか?
湊さん「イベント型(※1)の人からの相談ですね。コロナでイベントができなくなってしまって、“(創作活動の)やる気が出ない”という方が結構増えました。同人誌は形にしないと肯定されません。だから、できあがるまでモチベーションを維持するのが大変なんです。
でも、“そもそもそれをやっている時点ですごいことなので、一歩踏み出したことに対して自信を持ってほしい”と、お伝えし、“続けていくことで経験になるので、すぐには諦めないでほしい”ということを、伝えています」
※1:ここでは、同人誌を発売するイベントに参加することをモチベーションに、活動している同人誌クリエイターを指す。
──同人誌作家さん以外には、どういう人からの相談が多いのでしょうか?
湊さん「会社経営者や、夜のお仕事をされている女性ですね。経営者はコミュニティでご紹介いただくことがほとんどです。 私は、先読みが得意なので、“この時期は人が離れやすいですよ“
この年は経営が危ないですよ”といったことをお話しして、それに合わせて対策をしてもらいます。
“会社の経営をどうしていけばいいのか”とか、“どういうお客様を相手にすると売上が伸びるのか”といった悩みなどもお答えしています。そのため、占いと並行して経営コンサルティングの勉強も普段からしています。経営者の方には、毎年リピートしてご依頼をいただくので、これも前回の鑑定内容が、お客様の成果に着実につながっている証(あかし)だと思っています。
夜のお仕事をされている女性のお客様は、バーやスナックの片隅で占いをしていたころからのつながりです。キャバクラのお姉さんにアドバイスをして、お店で売上1位になったこともあります」
──改めて、湊さんにとって「占い」とは何ですか?
湊さん「“道しるべ”であり、依頼者の背中を押すものですね。中には占いで救われたという人がいますが、私自身は一度もそう思ったことがないんです。占いの結果は、タイミングぐらいにしか思わないですね。
占いで、“今年、(運勢的に)来ますよ”と言われたのに、何も変化がないというのは、それは自分が行動を起こしていない証なんです。“何かありそう”と言われたときに、そこに向かっていかに行動していくか、または種をまいていくかが大事なんです。
なぜなら、幸運な出来事というのは、過去4年間で叶(かな)えたいことに向けて行動してきた人にだけ起こります。つまり、これまで何をしていたかの集大成が、その年に結果として出るだけなんです。
例えば、ギャンブルばかりして借金をつくっていたら、そこで自己破産してしまいますし、ずっと病気を放置していたら、そこで亡くなることもあります。本当はそれだけ怖い星(タイミング)なんです。だから、みなさんは占いだけを頼るのではなく、自分で道を切り開いていってほしいと思います」