同人歴7年クリエイター、新たな可能性と意外な一面があらわに!

同人誌クリエイター・Sさん(30代)の悩み
 7年間、2次創作の絵師(マンガを描く人)として活動。最近、マイナージャンル(※2)からメジャージャンル(※3)に変えたものの、コミュニティになじめず、この路線を続けるべきかどうか悩んでいて、相談に来た。

※2.3:2次創作において、作り手が少ない作品ジャンルをマイナージャンル、多いジャンルをメジャーまたは巨大ジャンルという。

Sさん「 私は、イラストとマンガを描くのでは、どちらが向いていますか?」

湊さん「どちらもできる方なので、両立させていくほうがいいと思います。表紙の絵や装丁をすごくキレイに仕上げられそうなので、もっとこだわって描くといいですよ。出生図を読み解くと、火星が双子座、金星が蟹座に入っている方は、“両片思い”(※4)で、ちょっと“ケンカップル”(※5)が入っている作風が好き。基本的に好きなカップルを幸せにするために描いてますよね」

※4:両思いだが、お互い気がつかずにいる状態。

※5:ケンカを愛情表現のひとつとしているカップル。

Sさん……!? まさに、そればかり妄想しています……!! あと、今までマイナージャンルにいたんですが、初めて巨大ジャンル(※6)に入って、自分の身の置きどころにすごく悩んでいて。 作品を発表しても思ったほどSNSの反響が伸びずに凹んだり、他の人と自分を比べてしまったりします。どのように、モチベーションを維持すればいいでしょうか?」

※6:文中では、他の作品と比べて、二次創作を行う人が多い創作元作品を指す

湊さん「気にせず“いずれ結果が出る”ぐらいの感じで、まずは続けるといいですよ。好きだから描くという気持ちが強い方なので、楽しんでやっていたらそのうちファンが増え、絵が上達してくるタイプです

Sさん「こういう作品を出したら、反感を買うんじゃないかと恐怖心もあって……」

先生「好きなことをやってるときがいちばん輝く方だから、気にせずとりあえずやっちゃえば、どんどん成功されていくと思います。みんながやっているからやろうというのは、あまり向かないと思いますね」

Sさん「ちなみに、18禁(エロの要素がある作品)は向いていますか?」

湊さん「誕生時間がわからないと、ちょっと読みづらいところはありますが、他のところで見る限りだと、イチャラブが向いている人だから、その延長線ならありかも。描写よりも、主人公2人の心の機微を描いていくのが好きな方なので、そちらを強みにしたほうがいいですよ」

Sさん「結構飽きっぽいところがあるんですけど、今のジャンルでどのぐらいいけそうですか?」

湊さん「そうね。流行のジャンルなので、今はつらいと思うかもしれないですけど、来年になってくると一気に外れるんですよ。“うぇーい! 楽しい! 好きにやっちゃっえ!”そういったノリになってくる感じなんです。

 新しい自分に変わっていくタイミングですが、ジャンル移動じゃないかもしれません。刺さるジャンルが出てくるかといえば、それも微妙な感じなので。今のジャンルにいる可能性のほうが高いですね」

Sさん「へえー、意外!」

湊さん「ジャンルを移動したい?」

Sさん「それが全然思っていないんです。いつもは、終わったと同時に熱が冷めていくタイプなのですが、今回は原作が終わってるんですけど、まだ好きで。むしろ自分で驚いてる感じなんです」

先生「終わってからハマるとちょっと長いかな。言うなれば補完型(※7)っていうんですかね。自分でその続きを描いていきたいタイプなので。原作が連載中であれば、隙間を描こうとされる。作品が終わっているときと、そうでないときの作風の差が出てくる方なので、長く続くと思いますね

※7:物語は終わっているが、その後ストーリーが続いていたとしたら、登場人物がこうなっていたんじゃないかと妄想して、続きを書くこと。完結していない物語の、章と章の間にあったことを妄想して描く場合は、隙間と呼ぶ。

Sさん「このジャンルで楽しそうにやっている未来の自分は見えますか?」

湊さん「来年はね、楽しくやってると思いますよ。さらに言えば、かけ持ちもできるタイプの方だから、他のジャンルも同時進行でやろうと思うんだったら、やってみるのもありかも」

Sさん「本当ですか!? へえ~、今まで(かけ持ちは)なかったですね。ちなみに、SNSでのクリエイター同士の交流が、今まで小さなジャンルだったので(巨大ジャンルのコミュニティに入ったことで)気後れしていて……。もっと、自分から入っていったほうがいいんでしょうか?」

湊さん新しいコミュニティが、どんどんできていく方だから、自分から進んでいろんな人と交流されるほうがうまくいきやすいですね。自分から絡んでいっていいです。ちょっと図々しいぐらいがちょうどいい。SNSでは“あなたのここが好きです”っていうのを伝えることによって仲よくなっていける方なので、そこを押さえれば大丈夫!

 周りにどう見られているかを気にされる方で、自分を制御してしまうんですよ。でも今年2022年の12月後半から来年にかけてのタイミングでは、動かないと逆にもったいないので、どんどん交流してください。そうすればファンも増えると思う。

 今は、ちょっと伸び悩む時期かもしれないけど、本当にこれからっていうところなので。来年になると、やっていて楽しかったとか、これでよかったんだなという気持ちが出てきます。ただ来年1月、2月はちょっと調子に乗りやすいから気をつけて」

Sさん「……(笑)! 謙虚にいきます……!」

湊さん「また類は友を呼ぶ人なので、ネガティブな気持ちでいると、ネガティブな人が寄ってきやすいので注意してね。前向きな気持ちで創作活動をされていくと、自然と前向きな友達ができて、より創作活動が楽しくなります。それこそ周りにうまいなと思う人がいると、Sさん自体も成長できます。あと仕事と両立していくことがすごく大事です

Sさん「今、まさに転職活動中で……」

湊さん「転職するんだったら、来年にはすぐ決まるわよ。そんなに心配されなくていい。自分が考える以上に望んだ場所に行けるときなので、どういう会社や職種に就職したいかは、具体的に決めておいたほうがいいですね。せっかく、これまでより給料も上がりやすいときだから」

Sさん「えーっ! そうですか!」

湊さん「今よりもワンランク上がるような職種を探していくのがいいですね。今までの実績や自分の得意なことを明確にするのもいいです。あとアドリブに弱い人だから、ちゃんと面接前に準備すること」

Sさん「アドリブが、まったく利かないんです(泣)」

湊さん「面接の前には予行練習して、少し自信を持ったうえで臨むのがいいですね。面接官からどう見られたいかっていうのを意識して、それを演じることによって、面接にも強くなると思います。この調子で頑張れば、いい未来が見えてますよ」

Sさん「ありがとうございます。自信が持てました!」 

 ◎まとめ:みんなのやっていることに合わせる必要なし! 好きなものを描き続けよう。コミュニティは、図々しく絡むくらいがちょうどいい。希望の転職ができるから、具体的にやりたいことを決めて臨むのがいい

鑑定を受けたSさんの感想

 私がいつも好きになる創作ジャンルを、ズバリ言い当てられたのにはビックリしました。同人活動について悩んでいる時期だったので、“自分の好きなものを描けばいい”と言ってもらえて、とても励みになりました。“この時期にはこうなっているだろうから、そのためにはこうすればいい”と具体的にアドバイスをもらえたのは、とても助かりました。ちなみに、あの後すぐに仕事も決まりました! また半年後くらいに見てもらいたいと思っています。

同人誌内のキャラクターについて真剣に相談するSさん 撮影/fumufumu news編集部
作風の好みを言い当てられ、思わずこの表情(笑)! 撮影/fumufumu news編集部
最後には、ホッとひと安心のSさんなのでした 撮影/fumufumu news編集部