自身の苦しかった経験も、今の糧となっていると語ってくれたゆうこすさん 撮影/北村史成

──ここまでSNSのマイナスな側面について深掘りして聞いてしまったのですが、SNSをやっていて良かったことはありますか?

「それはもちろん、共感してつながったファンの方のおかげで、夢を叶えることができたことだと思います。SNSって多くの方の前に立って発信するという意識を持つと、夢に一歩近づけるツールなんですよ。

 私はアイドルを卒業して個人活動を始めてから、Twitter、Instagram、SHOWROOM、YouTube、TikTokの順でさまざまなSNSを使ってきたのですが、それぞれの発信を通じて共感してくださる方がいるからこそ、念願のカラーコンタクトのプロデュースやスキンケアブランド、コスメブランドの立ち上げをすることができました。私の考え方の部分から好きでいてくれて、応援してくださるファンとSNSを通じてつながれたからこそ、夢に挑戦できるのだと思います

──最後に、ゆうこすさんの今後の夢について教えてください。

ひとりのインフルエンサーとして、そしていち実業家として、ライブ配信の分野で新しいトレンドをつくっていきたいです。ライブ配信って簡単そうに見えて、ただ話すだけでお金がもらえるツールではないんです。イメージとしては、スナックのママに近い。自分の配信をひとつのお店のようにとらえて、場づくりまで徹底していく必要があります。

 株式会社321というライブ配信に特化したマネジメント会社も立ち上げて運営しているので、321に所属するライバー(ライブ配信者)さんたちと一緒に、“ライバー”という職業をYouTuberのように多くの方が知っている職業へと変化させられたら嬉しいなと思います」

最後に、今後の展望をお話してくれたゆうこすさん。その語り口は柔らかでありつつ、力強さも感じた 撮影/北村史成

【PROFILE】
菅本裕子(ゆうこす)1994年、福岡県生まれ。
アイドルグループ・HKT48を卒業後、「モテクリエイター」として起業。現在は株式会社KOSの代表取締役として、インフルエンサー、モデル業、ライバー業、YouTuberとマルチに活動中。SNSの総フォロワー数は210万人を超えており、10代~20代の女性を中心に多大な影響力を持つ。
著書に『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』(幻冬舎)、『SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』(KADOKAWA)など。

(取材・文/市岡光子 編集/FM中西)