こげぱんとたかはしさんには共通点も!?
ねぼけたパン屋さんがカマドの中に落としてしまい、こがされてしまったアンパンのこげぱん。しかしたかはしさんから、こげぱんは当初はクリームぱんの予定だったという驚きの発言が飛び出した。
「最初はあまり深くプロフィールについて考えておらず、実は今のクリームぱん(こげぱんの親友)を中身のないコッペパンにするつもりでした。そしてこげぱんは、自分が好きなクリームぱんに。そのときにたまたま先輩に“こっちがクリームぱんじゃないの?”と言われて、“じゃあそうしよう!”みたいな感じで変えたんです」
このように先輩たちからのアドバイスや雑談から生まれたエピソードやキャラクターも多かった。キャラクターに関しては商品がシリーズ化されるたびに増えていき、一時期は25を超えたことも。「にくまん」や「あんまん」のように、パンではない(!?)キャラクターがいたこともあったそうだ。
「新しいキャラクターを出演させるために、こげぱんの存在が霞(かす)んだ時期もありました。せっかく4コマを描いていても、メインのこげぱんをなかなか出せないという本末転倒状態に(笑)。そのため15年ぶりに発売した絵本では、登場キャラクターをかなり厳選しました」
もともとパンが好きで、同僚と何の菓子パンを食べたか交換日記をしていたというたかはしさん。そこからイメージをふくらませて、かわいくなるパン、ダジャレに引っかけられるパンなどを考え、誕生させていった。特に春シリーズで生まれたいちごパンは、非常に人気があったそうだ。
そんなたかはしさんが、こげぱんを描くときに昔から気をつけていることがある。
「やさぐれていますが、決して暗いだけではありません。ネガティブなんだけど、それが笑いに変わるようなセリフやストーリーを考えています。
私とこげぱんってちょっと似ているんです。こげぱんの商品化が決まったとき、王道のファンシーキャラではなかったので人気が出なかったらどうしようとずっとドキドキしていました。でも“ま、人気が出なくても仕方ないか~”って、こげぱんのようにやさぐれた気持ちもあって(笑)。
売れて人気が出たらもちろんうれしい。でもダメだったときに傷つきたくないからそう思うように。そうやって自分の中で保険をかけつつ、きっとこのキャラを好きになってくれる人がいるはず! と願っていたところがこげぱんと似ていると思います」
ちなみにたかはしさんの一番の推しパンは、意外にも“こげクリームぱん”。やさぐれずにこげぱんたちのお世話をして慕われているのが、たまらなくかわいいそう。温泉に連れて行って、いたわってあげたいそうです。