きっかけはエミネム!? 苦肉の策で生まれた「お魚替え歌」

──芸人を志した経緯はどんなものでしたか?

昔から人前で面白いことをするのが好きだったんです。中学時代に流行(はや)っていたエミネムの『Without Me』を全部カタカナに書き出したら歌えるようになって、高校時代に入った柔道部で披露したら“エミネム歌えるやつがいる!”と噂が広がって(笑)。それから他の歌系のネタをするようになりました。

 芸人になろうと決めたのは高校時代。3年生を送る会で、古畑任三郎とジブリの細かすぎるモノマネをしたんですけど、これが結構ウケて。男子校でマンモス高だったんですが、歓声がドドドドッてもろに体感でき、それが忘れられなくて。“芸人としてもっとこの体験をしたい!”と思い、大学ではお笑いサークルに入りました

──今の名物芸・お魚替え歌はいつ頃生まれたんですか?

「最初はピンでコントをしていたのですが、全然ウケなくて。替え歌が生まれたきっかけはダイビングサークルの余興です。OG・OBが集まる会で余興を頼まれネタを考えていたとき、たまたま聴いていた『スタンド・バイ・ミー』が“スズメダイ”と聞こえたんです。それで生まれたのが、ひたすら歌いながらスズメダイの絵を見せるネタ。替え歌ネタは、苦しまぎれに生まれたんです」

大学時代に生まれたお魚替え歌『スタンド・バイ・ミー』

──聴くたびに思うのですが、当てはめる魚が絶妙ですよね。替え歌を作る秘訣をぜひ教えていただきたいです!

基本的には、“歌詞にも聴こえるけど魚にも聴こえること”を大事にしています。韻を踏むことで歌詞に忠実に当てはめる方法もありますが、それをやりすぎると面白くなくなるので、その加減には注意しています。

 例えば“会いたい”なら“アイ(アイゴの別名)タイ(鯛)”と組み合わせできますけど、あえて“アジタイ”にしたほうが、カタコトの日本語歌詞っぽく聴こえるし、“言われてみれば聞こえる!”となるので面白い。すごい早口で歌うときは違和感をなくしたほうがいいので歌詞に忠実に魚をチョイス。こんな感じで曲によって当てはめ方を変えています」

アニメ『チェンソーマン』の主題歌『KICK BACK』の替え歌も披露!

──なるほど、奥が深いんですね。ちなみに、ムチャぶりなのは承知なのですが……『fumufumu news』を魚で言い換えていただきますでしょうか!?

「そもそも『fumufumu news』が、「う」の音で韻を踏んでますもんね……。韻を踏むなら“フグフグフーグ”や“フグフグムーツ”。でも“news(ニュース)”の字余り感を出すなら、“フグフグメギス”のほうがそう聞こえるかなぁ

──すごい! ありがとうございます! あえて“メギス”にするあたり、こだわりを感じます。

「それはよかったです(笑)。ちなみに今ネタとしてあたためているのが、『初音ミクの消失』という超アップテンポかつ早口の曲です。めちゃめちゃ速いのでもう1年くらいは練習したいですが、年内にはお見せできるかと!」

某ドラマからの言葉をお魚で披露! 何と言っているか皆さんも想像してみてください 撮影/山田智絵
倍返しだ! 撮影/山田智絵