豊かな人間関係や環境づくりのために、ときには勇気を出すことも必要
──桜田さんと同世代の人たちはそろそろ社会に出るタイミングが近づいています。社会を生き抜く秘けつがありましたら教えてください。
「秘けつ……。参考になるかわからないですが、基本的に自分の周りにいる方は、尊敬できる方がすごく多いんです。自分が相手に対して尊敬するポイントだったり、憧れるなっていう部分を持つ人が周りにいることで、自分も刺激を受けて頑張ろうと思えますし、向上心が生まれるんです。マイナス方向に引っ張られることもないので、ネガティブな感情になることがなくなりました」
──周囲の人を含めて環境ですものね。
「自分はけっこう周りの環境に左右されるタイプだと思うんです。環境を整えるという意味では、いろいろな方とかかわっていくのももちろんすごく大事なことですが、その中で自分が、“この人とかかわりたい”って思う人に自分も向き合えたら、きっとすごくすてきな関係になれるんじゃないかなと思います」
──仕事に限らず、身近な人間関係にもいえそうですね。
「一緒にいてネガティブな感情になったりとか、自分が“ん?”って思う(違和感に感じる)ポイントがあるんだったら、いったん距離を置くとか、連絡手段を絶ってみるとか。そういうのをやらないと、きっと自分を取り巻く環境も変わっていかないので。そこは勇気を持ってパツパツって(これまでの関係を一度絶ってみて)、自分の環境を整備していくっていうのは大事なんじゃないかな」
──ズルズルと続けてしまう人が多いと思います。
「私もすごい悩んだ時期があって、一時期はもうほんとにすごくネガティブな感情になったときがあったんです。環境だったり、自分の気持ちだったりっていうのもあるんですけど、いったんすべてリセットしようと思って、LINEなどのSNSをすべて削除したときがありました」
──ええー!なかなか勇気が要りますね。
「自分がネガティブな感情になったとしても、自分のことを引っ張ってくれる、自分が尊敬できるポイントを持っている方だけを残して、あとは思い切って連絡を絶ちました。すごく勇気がいることだったし、周りからは冷たい人間だと思われるかもしれないって、勇気が出なかったんですけど。“いや、ここで変わんなきゃダメだ!”って思って、勇気を出して実行しました。そうしたら肩の荷が降りたというか……。そういうのもときには大事なんだなって思いました」
──なるほど、それが桜田さんの透明感につながっているのかもしれません。
「ほんとですか⁉(笑)」
──その勇気って、たとえば30代でも40代でも、年齢を重ねたからできるかっていうとそうではなくて。やっぱり決心した人だけ、勇気を出した人だけができることだと思うので、この言葉に響く人も多いと思います。
「ほんとですか。そうだとしたらよかったです!」
──もし仮にこのお仕事をされてなかったら、何をしてたと思いますか?
「看護師になってましたね。母が看護師だったので。その影響を受けてきっと私も目指していたんじゃないかなと思います。働く姿がカッコよかったんです」
──多忙な桜田さんを癒やす、愛しい人やモノ、コト。お気に入りのものは?
「4歳になる愛犬のアルクですね。もう愛おしくて愛おしくて(笑)。もう毎日癒やされてます」
──最後にドラマ『silent』をご覧のみなさんにメッセージをお願いします。
「今回、オリジナルストーリーということで、私もまだ結末がわかっていないので、みなさんと一緒に楽しんでいけたらいいなと思っています。紬と想、ふたりの行く末と、周囲がどう動いていくのかをぜひお楽しみに」
(取材・文/柚月裕実、編集/本間美帆)
【PROFILE】
桜田ひより(さくらだ・ひより) 2002年生まれ、千葉県出身。雑誌『Seventeen』(集英社)のミスセブンティーン2018に選出され、専属モデルとして活躍するほか、俳優としてもテレビドラマ『彼女、お借りします』(朝日放送テレビ)、映画『おそ松さん』、『東京喰種 トーキョーグール【S】』、『男はつらいよ お帰り 寅さん』に出演。劇場アニメ『薄暮』では主役・小山佐智役として声優としても活躍。1st写真集『ひより日和。』も好評発売中。12月17日には、自身初となるファンイベントを開催予定。
Instagram→@hiyori_sakurada…