6月の初演では、実際にOWNDAYS・田中社長が劇場へ訪れたという。その際のやりとりを、こう明かす。

なんか、お互いちょっと照れくさいというか(笑)。田中社長としては自分のことを演じられているわけで、僕も目の前の人を演じているわけで。1回目はおしのびで、2回目はご家族や社員の方と一緒に、観劇に来てくださったみたいです。2回目のときに、ちょっとお話をさせてもらいました。

 田中社長、『クローズ』(※1)が好きやったらしくて。僕が映画『クローズZERO』に出演していたことを社員の方に聞いて、“マジで!?”ってすごいテンション上がったって聞きました。『クローズ』出ててよかった!って思いましたね(笑)

(※1)1990年〜1998年に『月刊少年チャンピオン』で連載された高橋ヒロシによるヤンキー系マンガ。伊﨑は映画『クローズZERO』(’07年)、続編『クローズZERO II』(’09年)に、極悪ツインズ2号・三上豪役で出演。

田中社長が劇場に訪れた際のエピソードを語ってくれた 撮影/伊藤和幸

 田中社長と一緒に観劇した社員の方たちからは、こんな言葉があったという。

“昔の田中社長とそっくり”って言ってもらったんです。僕としては、演劇だからわりと誇張して演じていたつもりなんですよ。絶対ありえへんやろ、みたいなシチュエーションでも派手にやるじゃないですか。結構ハチャメチャにやってたから、怒られるんちゃうかなって思ってたんですけど(笑)。そう言ってもらえたから、“再演ではあと1.5倍くらい増しでやります!”って言ったら、“それがちょうどいいかもしれないですね(笑)”って

 劇中では、14億円の負債を抱えた会社を田中社長が買い取るシーンがあるんですけど、オンデーズの社員さんたちは“再生のスタート”や“反撃の狼煙(のろし)”という言葉を大切にされているんですよね。あとは“世界一”という言葉もよく出てきます。よく考えてみると、『クローズZERO』でも、“てっぺん”とかよく使ってたなと思ったりして(笑)