本番は熱くない! 魅力は火を使うからこその「カッコよさ」
実はダンサーたちは腕の毛がない。あまりに炎に近いので、焼けてしまうのだそう。もちろん火に触れたらヤケドもするし、鼻毛が燃えることもあるという。火を扱うからこそ、ショーは過酷。だが、2人がファイヤーナイフダンスに惹かれるのも、火を使うからこそだという。
「やっぱり炎を操るのは、カッコいいし、強く見えると思うんですよね」(ジンLEONさん)
「本当にそう! もちろん、火は熱いし、怖さもあります。でも怖さを消せるのは練習だけ。これだけ練習したから大丈夫、と思えるか。失敗したらどうしよう、と自信がない状態でやると、まず失敗しますね」(エディ勇人さん)
ステージデビュー前の練習でいちばん怖いのは火をつけたときだという。
「今までできた技が、火がついた途端にできなかったりする。火への恐怖を消さないとパフォーマンスはできません」(ジンLEONさん)
ちなみに毎回、火をつけて練習するわけではないそうだ。
「何か新しい技をやりたいときや、ショーが変わるとき、スランプのときなどに火をつけて練習します。でも練習の火は本番より熱く感じるから、あんまりやりたくないんですよ(笑)。やっぱり本番中はアドレナリンが出ているから、火も熱くないし、ぶつけても痛くないんだと思います」(ジンLEONさん)
火の扱い以外で大変なのは、体調管理だと口をそろえる。
「デビュー前は細くて食べても太れなかったのに、今は食べれば簡単に太ってしまう(笑)。やっぱり大変なのは身体づくりですね」(ジンLEONさん)
「僕は食べないとやせてしまうので、意識的に食べるようにしていますが、体型維持も含め、体調管理は大変。ケガや病気をしないのはもちろん、ショーの本番に合わせてコンディションをベストな状態にもっていく必要がある。やはり体調はパフォーマンスに直結しますから」(エディ勇人さん)
特定の大会に合わせてコンディションを整えていくアスリートと違い、ファイヤーナイフダンサーたちは、いわば毎日が本番。圧倒的なプロ意識がなければ続けるのは難しい。