仕事もはかどるタイならではのライフスタイル事情

 小林さんの仕事はイラストレーターなので、iPadがあればどこでも仕事ができるとのこと。2018年に仕事での使用に耐えうるiPad Proが発売されて以来、現地でも仕事をするようになったと言います。

「だいたい日本の朝10時にあたる8時から仕事を始めます。午前中は外で仕事しています。タイは外で過ごす人も多いので、テーブルとイスがいたるところに設置されていて、木陰なら案外涼しいんです。午後に暑くなってきたらカフェに移動します。地方でも電源やWi-Fiに困ることはそうありません

 暑すぎたらマッサージに行ったり、仕事が早く終わったら遊びに行ったりと、日本にいるときよりも仕事がはかどるし、メリハリもつけられるという小林さん。

全部外食なので、ご飯の心配をしなくてもいい、というのも大きいです。“冷蔵庫に豚肉があったけど、きのこを買いに行こう”など、そんなことをタイでは一切考えなくてもいい! 唯一困るのは蚊くらいです」

通信環境には、ほとんど困ることはないという 提供/ワニブックス
仕事や待ち合わせの合間に利用するという、マッサージ店での心温まるひとコマ 提供/ワニブックス

 本書には、日本が大好きなタイ人も多く登場します。小林さんが日本人とわかると、「日本語を勉強しています」「(なぜか)岐阜が好き!」などと話しかけてくることも少なくないそう。

日本という国を身近に感じてくれているように思います。だから、私もいち日本人としてちゃんとしなくては、と思っています。日本好きのタイの人たちは、日本の芸能ニュースも見ているようで“本当にあんなに不倫するんですか?”とか聞かれたりしました」

 長引くコロナ禍で、小林さんも約2年タイに行くことができませんでした。2022年2月に久々にタイに行った際、街が真っ暗で、以前は23時過ぎまで盛り上がっていた屋台街が、21時には誰もいない状態を目の当たりにしたとき、「ショックだった」と言います。

「その後2022年の7月に再訪した際は、街がだいぶ活気を取り戻していました。今は入国制限も撤廃され、以前のような盛り上がりも戻ってきているようです。街の持つパワーに期待しています」