タイとの出会いで変化した“引っ込み思案”の性格
10月の本書発売から1か月足らずで重版となり、タイの英字新聞『Bangkok Post』でも本書が取り上げられるなど、その反響ぶりに小林さん自身も驚いています。
「タイに詳しい人はたくさんいるので、“こんな程度の知識ですみません”という気持ちはあったのですが、そこは案外何も言われませんでした。“タイで、親切にしてくれてありがとう”ということを伝えたくて描いたら、それを読んでくれた人が面白いと言ってくれて、ポジティブなことしかない。みんながハッピーになっていいなと思いました」
言葉が通じなくても、事前の情報がなくても、小林さんが物怖じせずにどんどん踏み込んでいくからこそユニークな体験に結びつき、それが作品になっていったわけですが、意外にも小林さんは自身のことを“引っ込み思案”だといいます。
「本当はいつもビクビクしてるんですけど、ビクビクしていたら食べ物にもありつけないので、勇気を振り絞っていろんなところに行くようにしています。そうすると、親切のほうが勝手にやってきてくれる感じなんです」
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タイでは、日本の星座や血液型占いのように、自分の生まれた曜日が重視され、占いにも用いられています。小林さんは土曜日生まれなのですが、土曜日生まれの人は変人が多く、特に女性は気が強いとされているそう。
「自分が土曜日生まれだとタイの人に伝えると、いつも微妙な感じになります。でも、タイの人に“タイをうろうろして何をしているの?”とよく言われるので、確かに変わった人なのかもしれません(笑)」
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小林さんが本書で描いたエピソードは内容が濃く、タイに行ったことがある人はもちろん、タイ未体験の人でも間違いなく笑えてしまうものばかりですが、実は内容を盛っているどころか、いろんなディテールを削ぎに削ぎ落とした“入門編”であるとのこと。
「まだまだ行ったことがないところはいっぱいあるし、描きたいけど描けていないエピソードもあります。これからもタイに通って、もっとたくさん描きたいです」
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【要チェック】小林さんのタイでの必需品
小林さんがタイ滞在中に持ち歩いているのが、タイ北部の布『パーカオマー』。タイ日大辞典では、男性用の腰巻きとされていますが、用途は多様。地方で農作業をするときによく用いられており、チェック模様が特徴。「大きくて吸水力も抜群で、海やプールに行くときは必須。カフェや機内で寒いとき、お寺で参拝するときに身体に巻いたり、とにかく便利。この布で枕カバーなども作りました」
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(取材・文/吉川明子、編集/本間美帆)
【PROFILE】
小林眞理子(こばやし・まりこ)隙あらばタイに行きたい漫画家/イラストレーター。TwitterなどSNSでタイでの楽しい日常漫画を発信中。
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