退団後も仕事に恵まれ、周囲に感謝。主演舞台『マヌエラ』に気合い十分!
'21年8月に退団してからしばらくは、芸名の自分から本名の自分にゆっくり戻っていく感覚で過ごしていたのですが、花組、月組100周年という記念のイベント『Greatest Moment』へ出演することになっていました。こんなにすぐ舞台のお話をいただけると思っていなかったので、うれしかったですし、錚々(そうそう)たるOGの方々と退団したばかりの自分が同じ舞台に立てることが光栄でした。
実は、退団してから表に出る仕事を続けるかどうか悩んでいたときもあったんです。でも、「自分を求めてくださる方が少しでもいらっしゃるのであれば、“珠城りょう”を作り上げてくれた経験を無駄にせず、生かしていくべきだ」と考えるようになりました。
結果として、今こんなに忙しくさせていただけるとは思っていなかったので、自分としても予想外の展開です。テレビや映画、どの仕事もやりがいがあり、とても恵まれているなと感謝しています。今年10月にはCDを出して、ライブツアーもやらせていただきました。芝居がいちばん好きなことは変わりませんが、踊りや歌も継続して勉強していきたいと思っています。
今、稽古に入っている舞台『マヌエラ』は、1999年に上演された作品で、国籍不明で美貌を持つスターダンサー“マヌエラ”の愛と激動の半生を、音楽×ダンス×芝居で描いたエンターテインメントです。
在団中からストレートプレイ(セリフに歌唱を含まない、ミュージカルやオペラ以外の一般的な演劇)に出演したいと思っていましたので、退団後初の舞台『8人の女たち』も楽しく取り組むことができました。宝塚のOG8人によるキャストで、先輩方の稽古への真摯(しんし)な向き合い方など大変勉強になりましたし、今回の舞台にも生かせる発見がいろいろありました。
今回は、脚本の鎌田敏夫先生の強いご要望でダンスと音楽が多くなり、初演と違った形で描かれている部分もありますので、前回の舞台を観た方にも楽しんでいただけるのではないでしょうか。また、演出の千葉哲也さんが、演劇的にかなり作り変えていかれるそうなので、今からワクワクしています!