ご公務の充実ぶりが目立った1年
雅子さまの2022年夏以降のご活動は大きな成果となった。8月10日、『第48回フローレンス・ナイチンゲール記章授与式』に日本赤十字社の名誉総裁として3年ぶりにご出席、看護活動に顕著な功績や功労のある人たちを顕彰なさった。
9月には、英国のエリザベス女王陛下の崩御にともない陛下とご一緒に訪英、葬儀に参列された。突然決まった英国行きにお気持ちの準備が整うのか心配もされたが、英国での雅子さまのご体調は落ち着いているご様子だった。誕生日に際しての文書でも、《長年にわたって人々を導かれた女王陛下のお心の深さや知性、そして、その御存在の大きさを改めて感じ、心からの敬意と哀悼の気持ちを抱きました》と綴られている。
天皇陛下は、皇太子時代に初めて海外留学をした皇族だった。その留学先だった英国でエリザベス女王とも親交があり、女王の崩御が発表されたときから、陛下の葬儀参列のご意思は固かったといわれる。
「雅子さまは皇后として、陛下の英国への強い思いに寄り添えたことも喜びや自信になったのではないでしょうか」(元宮内庁職員)
帰国後の雅子さまは、時折、関係者らとの挨拶で笑顔を見せるなど安堵なさっているご様子だった。
翌10月には、恒例の地方訪問の「4大行幸啓」のひとつ、国民体育大会にご出席のため栃木県へ。続けて、沖縄県での国民文化祭にも出席された。
2022年、沖縄は本土復帰50周年の節目となる大切な年を迎えた。両陛下は、上皇ご夫妻から受け継がれた沖縄への想いを込めて、沖縄戦の生存者や遺族と時間を押して懇談をなさっていた。両陛下との会話の中で、遺族たちからは「上皇ご夫妻のお心を引き継いでいらっしゃる」という声が上がっていた。