生涯、イベントを創っていきたいと思っている

──宮尾さんが思う、リアルに集うイベントのいいところってどんなところですか?

「人が集まって、楽しい空間を共有する」。それ以上のものって、この世界にないと思うんです。

 お客さんも演者さんも一緒になって、一夜のお祭りを創り上げる。そして、楽しかった! 明日も頑張ろうってなるのがイベントのいいところですよね。

東京カルチャーカルチャーロゴ 撮影/福アニー

 休みの日も、人が集まっているところは気になって、つい見に行ってしまいますし、書店の新刊の売り場に行くと、イベントになりそうかを常に考えてしまいます(笑)。もう完全に職業病ですけど。僕は、天才的な企画でみんなから称賛されるというよりは、来てくれた人が楽しんでくれるのが一番っていうタイプだと思っていて(笑)。

 一夜のお祭りを創って、明日も頑張ろうってお客さんが笑顔になってくれる……シンプルですけど、それが本当に、すべて。それで十分だと僕は思うんです。

 イベントは一生創っていくのだろうなと思います。

宮尾亘さん 撮影/福アニー

 自分から「イベントやりませんか?」と声かけた以上、途中で「やっぱりやめます」なんて言えないですし、開催に向けて演者さんや事務所さんとか、一緒に走ってくれる伴走者がいるイベントが、マイペースな自分の性格にも合っていると思っています(笑)。

面白いイベントとは、〇〇〇〇で説明できるもの

 最後に、長年イベント制作に携わり、何百・何千というイベントを創り上げてきた宮尾さんに「面白いイベント」に共通することを伺ってみると、「短い言葉で説明できて、それだけでもう面白いと感じるもの」という答えが。

 確かに、さまざまな出版社から出ている国語辞典について語り合う「国語辞典ナイト」や間取り図を見るのが好きという人たちが集って語り合う「間取り図ナイト」などカルカルで人気企画となっているイベントは、どれも少ない言葉で説明できるうえ、「面白そう」と一瞬で思わせる切れ味のよさがあります。

 コロナ禍を経て、改めて気づかされた「リアルに人が集い、同じ空間を創り上げること」の尊さ。宮尾さんの語る一言一言に、イベントづくりへの冷めることのない熱い想いと、未来につなげていこうと進み続ける力強いパワーを感じることができました。

 “胸に渦巻くさまざまな想いはすべてイベントという形で”

 これからも“カルカルの宮尾さん”は、最高に楽しい一夜のお祭りを渋谷の街で創り続けます。

(取材・文/茂木雅世、編集/福アニー)

【Information】
●東京カルチャーカルチャー
「あらゆるものをイベントに!」をコンセプトに、ココでしか体験できないイベントを連日開催するイベントハウス型飲食店!

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