トイレの普及は社会貢献にもつながる
──トイレが密接にかかわっているからこそ、社会に与えたい影響みたいなものはありますか?
「最近は減ってきたみたいですが、周りに冷やかされたりするのが嫌で、“学校だとトイレに行きにくい”という文化っていまだにあるんですよね。排泄という行為に対する教育を“便育”と表現しているんですが、もっともっと便育を進めていくべきだなと思います。
トイレが和式から洋式になって、衛生面も改善されてはいますが、やはり“トイレに行くことは恥ずかしい”という考えはなくなっていない。先生や親御さんも“トイレに行くことは恥ずかしくないよ?”という教育ってまだ浸透していないと感じています。僕が生きている間に、そういう悪しき習慣みたいのものがなくなればいいなと思いますね」
──小学生のころは自分もそう思っていたかも……。今でも外出する際、トイレのことで不安になるときがあります。
「ありますよね。集団行動が伴うと、どうしてもそういう不安は出てくると思います。周りに気を遣ってトイレに行けず、電車でも不安になるみたいな?」
──まさにそうです! 朝しっかりトイレに行けてないと通勤も不安になります(笑)。
「そもそも、“トイレ=恥ずかしい”という常識がなければそういう不安も解消されると思うんですよね。行動範囲が狭くなったり、遠出がしにくかったりと生活にも支障が出てきますから」
──トイレという切り口で、今後佐藤さんがチャレンジしたいことなどはありますか?
「“トイレをもっと楽しく”というコンセプトで、サトミツ&ザ・トイレッツ 『日本のトイレからこんにちは』という楽曲を出したりと、小学校や幼稚園、保育園を中心に活動していました。ただ、コロナの影響もあって止まっていたので、状況が落ち着いたらまた活動したいと思っています。便育については草の根活動になりますが、トイレに対するネガティブなイメージをポジティブにとらえられるよう、子どもたちや先生にも伝えていきたいですね。
あとは、いつか自分のトイレも記念に開発できたらなと思っています。名前はSATOTOとか……。ただLIXILがすでに、『SATO』というトイレを出しているので紛らわしくなりますが(笑)」
──SATOTO、いいですね! ちなみに構想とかあったりするんですか?
「でっかい公衆トイレを建設して、そこにSATOTOを入れるっていう野望はあります。トイレにハマったきっかけも、“社会貢献”という角度だったので、その場所自体がみんなの助けになるような空間ができたらいいなと。やるからには、デザインも形状もしっかりこだわっていきたいですね」
(取材・文/FM中西)
新著『スターにはなれませんでしたが』(2023年2月17日発売)
レギュラー番組19本を数える人気放送作家、トイレ・掃除の専門家、ラジオパーソナリティ、お笑い芸人などさまざまな顔を持ち合わせ、オードリーなど多くの人気芸人が信頼を寄せる男サトミツこと「佐藤満春」の自叙伝エッセイ。オードリー若林正恭・春日俊彰/日向坂46松田好花 /DJ松永/南海キャンディーズ 山里亮太(敬称略)ら豪華キャストによる特別対談も収録されている。